その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

 

近所のTSUTAYAにはなかったのですが、Amazonプライムで有料レンタルしていたので観てみました。

この作品に限らず、タイトルは有名だけど観たことない映画って結構ありますよね。「博士の異常な愛情」はDr.Strangeloveという人名の直訳だったり、気持ち悪いブログ記事のタイトルの元ネタになってることは知っていても、今まで実際に観たことはなかったですし。

時は冷戦の真っ只中。アメリカの戦略空軍基地司令官リッパー将軍が突然、ソ連への水爆攻撃を命令する。ところがソ連保有している核の自爆装置は水爆攻撃を受けると10ヶ月以内に全世界を破滅させてしまうと判明。両国首脳陣は最悪の事態を回避すべく必死の努力を続けるが、水爆はついに投下されてしまう・・・。

 キューバ危機の2年後に公開するにしては内容が危なすぎるキューブリック監督のブラック・コメディ。 ソ連への水爆攻撃を命令した将軍もなんか理由があるんだろうな…って思っていたらただ頭がおかしくなっただけだったり、ペンタゴンでの会議でも、興奮するとうっかりナチスシンパの素が出るストレンジラヴ博士をはじめ参加者の大半が異常者だったりと皮肉たっぷりの映画でした。普通に人類滅亡したし…

危ういネタ好きなので風刺要素は勿論面白かったんですけど、誰が観ても笑うような要素も盛り込まれていて、コメディとしてもそこそこ楽しかったです。特記するならばコーラの自販機を撃つくだりや頭のおかしい戦闘機のパイロットが雄叫びを上げながら水爆と共に落ちていくシーンは笑ってしまいましたし、登場人物が大体狂ったテンションなのも面白い。

実際には関わり合いになりたくない人間だらけですが。

 

内容は面白かった一方で、今まで観た同監督の作品にあった、視覚に強烈に訴えてくるようなシーンがあまりなくて雰囲気が若干違うというか、キューブリックにしては画面的に若干地味だなという印象は受けました。それでも銃撃戦のシーンなんかは見入ってしまいましたし、視覚に訴えてくるだけで内容が1mmも伝わってこない作品よりは全然好みなのでいいんですけどね。

 

狂人の下につくと無駄に命を散らしてしまう、という尊い教訓を得ることができた映画でした。

 

おしまい。