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遊星からの物体X

 

遊星からの物体X (字幕版)

遊星からの物体X (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

「ハロウィン」「ニューヨーク1997」などのホラー映画の大御所ジョン・カーペンター監督が素晴らしい特撮を使い描く作品は、SFホラーの古典を映画化したものだ。カート・ラッセルが見事な演技を見せてくれる。1982年の冬、南極基地にいる12人の隊員が10万年以上も氷の中に埋まっていたエイリアンを発見する。氷が溶け出てきたエイリアンは、次々と形態を変えながら隊員たちに襲いかかる。

 

38年前の映画ながら、冒頭の厳しくも美しい南極の風景が綺麗…。とまず思わされました。直球の映像美に弱いですね。もちろん本当の南極なわけはなくカナダはブリティッシュコロンビア州らしいですが。

 

南極基地という究極の密室空間で、完璧に人間に擬態するエイリアンと対峙する、という単純なストーリーながら、疑心暗鬼に陥ってしまう隊員たちの緊迫感の描写は今の時代に観ても全く色褪せない迫力のある作品でした。中盤で、擬態を見破る方法を実行しているシーンの張り詰めた空気がたまらなかったですね。無音・無言のシーンも多いんですけど、役者の目力や間で雰囲気を演出していてこちらも目が離せなくなりました。

ホラーというより、サスペンス色が強い描写が自分には刺さった印象です。ホラーテイストなシーン自体思ったより多くなかったですし。

 

原題の「the thing」であるエイリアンの造形が形状しがたいグロテスクさで脳裏から離れないインパクトがあったのは特筆すべきポイントかなと。動きはさすがに38年前だな…という印象でしたが、デザインは本当に凄まじい。どうやって作ったんだ…。

 

一気に12人出てくる上に防寒服でほぼほぼ顔が隠れているシーンもそれなりにあったおかげで、最後まで半分くらいのキャラクターの顔と名前が一致しなかったけれど面白い作品でした。あと『THE THING』というシンプルなタイトルを『遊星からの物体X』って訳したセンスも好き。

 

おしまい。