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他人の好意を台無しにするブログ

『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』上映会

10月27日に、『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』の上映会とトークショーがあったので参加してまいりました。

いろんなところで言ってるんですけど、大学1年生の時に何となくテレビをつけていたら、たまたま『花咲くいろは』の13話が流れてて、「これはどんなお話なんだろう」って気になって1話から観始めたらめちゃくちゃハマったのがアニメを観るようになったきっかけなので、かなり思い入れが深い作品なんですよね。
それまでにちゃんと全話観たアニメって本当にエヴァだけな気が…と思ってたけどよく考えたらホイッスル!はDVD借りて全話観てました。まぁ今もそんなにたくさんアニメ観てるわけじゃないですが…

まぁそんなこんなで花いろの放映から9年目になった2019年のある日、日課のネットサーフィンをしていたらどうやら横浜のシネマノヴェチェントという映画館で上映会をやるという記事を発見しました。しかも安藤監督と美術監督の東地さんがいらしてトークショーまで開催される、となれば行くしかない、と思い速攻で応募しました。
今でこそちょくちょくこの手のイベントに参加してますが、花いろをリアルタイムで観てた頃はそもそもこういうイベントが存在することすらあまり知らなくて全くのノータッチだったんですよね。
ぼんぼり祭りは何回か行ってますけど、最近は台風に巻き込まれまくって悲しい…

一応1年間横浜に住んでいたことがあるんですけど、寡聞にしてこの映画館のことは知りませんでした。
当日のお昼まで山梨・四尾連湖でキャンプを行っていたので直接車で向かったんですが時間は結構ギリギリで、多分到着したのはほぼ最後でした。
映画館自体そんなに大きくはないんだろうなと思っていましたが予想外に小規模でびっくりしました。30席くらいじゃないかなあ。

そんなこんなで上映がスタート。
2019年に『花咲くいろは』の劇場版をスクリーンで観ることができる、それ自体がめちゃくちゃ楽しみでした。

このアニメの全エピソードの中でも劇場版がめちゃくちゃ好きなんですけど、それはこの作品におけるスイ、皐月、緒花の家族の関係がすごく面白くて(自分がこんな家族関係になりたいとはあんまり思いませんが)、劇場版はそれをありありと描いてるからだと思うんですよね。
この3人ってパッと見そんなに仲良さそうに見えないけど、実際は相手のことをリスペクトしてるところがあって。

緒花にとって「物心ついた時から大人で、絶対敵わない相手」の皐月も最初から完璧だったわけじゃなくて、高校生の頃は自分みたいに「輝きたい」って思って悩んでいたり、親と真正面からぶつかったり、恋をしていたという、自分の知らない一面を知る。
自分の親が最初から完成された親だったわけじゃない、って当たり前なんだけどなかなかイメージしにくいじゃないですか。
それを知ったら劇中の緒花みたいに興奮しちゃってもおかしくないなって。急にランニングを始めるのはマリー脚本だなぁって感じですが…
直接教えてもらうんじゃなくて、昔の日誌から断片的に知るっていうのも良い。


夫が(多分)急死してしまい、失意のままに実家に戻ろうとした皐月がスイの後ろ姿を見て、高校生の時には気付けなかった、母親が喜翠荘で働き続ける理由を悟って、会いもせずに東京に帰る。
少し涙声の「負けられっか、クソババア」に皐月の想いが詰まっててめちゃくちゃ好きなラストシーンなんですよね。
この後流れ始めるnano.RIPEの『影踏み』も本当に素晴らしい。
この後走り始める皐月に被せて、高校生の頃の皐月と、現代の皐月、それと緒花がダッシュする場面が入れ替わり流れるんですけど「人生楽しまなきゃな」っていう皐月のセリフ通り、迷ってる時だっていつも全力で生きてて、綾人が「君は今でも、十分輝いている」って感じたのはそういうところだと思います。まぁ現代のやつは腐った生ゴミを出す為に収集車追っかけてるだけなんですけど、そういうとこでも人生を楽しんで、全力で走っているって事で。
そしてそれは確かに娘の緒花にも通じていて、緒花の「輝きたい」といって全力で生きているその姿自体が、「輝いている」ってことなんですよね。多分。

またこのシーンを観て泣いてしまった…。昔はそうでもなかったけど最近アニメとか漫画とか映画観てて涙が出てくることが増えた気がする。◯◯生活は泣けませんが。

上映が終わった後は安藤監督と東地美術監督トークショー
お2人の話を聞くのは初めてだったのですが、2人のアニメ業界でのキャリアとか、花いろを手がけるまでの話、制作上での裏話なんかをいろいろ聞くことができました。
結構な割合でP.Aの堀川社長と岡田麿里さんの話になっていた気がしますが…お2人が話すエピソードがあまりにも破天荒で、堀川社長どんな人なんだ…ってめっちゃ気になりました。なんかのイベントで話聞けたりしないかなあ。

質問コーナーもあったので初めて観た時から気になってた「修学旅行の回、そもそも2011年に石川の高校生が宮崎に修学旅行に行くことはあんまりないと思うんですけど、なんで宮崎にしたんですか?」って質問をぶつけてみました。そもそも宮崎がアニメに出ることってなかなかないですからね。
ぶつけてみたはいいんですけど、「え、なんでだったっけ…?」って反応でした。少なくとも監督が決めたわけじゃないみたいです。14話と15話のライターさんが決めたのかな?
あとこのエピソードを書く為に誰も宮崎に行ったりはしてないとのことで、アレはスタッフさんの空想の青島だったみたいです。まぁ本物はもっと寂れてますからね。

そんな感じでサイン会、撮影会の流れに。
これは完全に僕の失態なんですが、このイベントにサイン会なんてものが存在すること自体を完全に失念していて、しかもサインを書いてもらうものはこちらで準備することになっていた(当たり前)わけで、映画館に到着したのもギリギリだったので色紙なんかを買う余裕もなく、その辺のコンビニで良さげなノートを買ってサインをいただくことに…
まぁうちにあるものでサインして欲しいものってなるとぼんぼり祭りのポスターとかになるので、それをキャンプに持っていけたかっていうと話は別ですが…反省しよう…。

安藤監督が好きなキャラのイラストを描いてくれるとのことなので、鶴来民子ちゃんをお願いします!って言ったら会場の中で民子をリクエストしたのが僕だけだったので少し意外でした。
上で散々スイと皐月と緒花の家族の絆とかいう話しましたけど、どのキャラが1番好きかって言ったら僕は断然みんち派ですからね。口は悪いし、ホビロンって何やねんって感じだし、徹さんへの想いが空回りするあまりちょっと後半迷言もありましたが、学園祭でオムライスを食べてもらうシーンとか不器用だけど健気で可愛すぎるんですよね。良くないですか?

その後は懇親会。
懇親会って何すんだよ…って思ってたんですけど、要はゲストの2人と食事しながら歓談する会ってことらしいです。普通の懇親会ですね。
この映画館はちっちゃいレストラン?みたいなのを併設していて、そこで焼きそばとおでんを食べつつ、安藤監督と東地さん、あとは他の参加者の皆さんとお話することができました。他の参加者の方も結構強めの花いろファンで、ぼんぼり祭りとか、他のP.A.作品の話なんかでも盛りあがりました。「新卒1年目で怒られてばっかで辛かった時にこのアニメに出会って、私も頑張ろうと思った」みたいな方も居て、アニメに救われてるなあ…と思ったり。
花いろ以外の作品の話もウェルカムです、っておっしゃっていただいたので安藤監督が担当した『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の話を結構させていただきました。
脚本岡田麿里さんだし、実質花いろですからね。怒られそう。
『荒乙』もあの1話をはじめとしてすごく引き込まれる作品だった(1話でめちゃくちゃ引きつけておいて、中盤では真っ当な恋愛ものやって、終盤はメインテーマに切り込みつつしっかり盛り上げる構成は本当に毎週観てて飽きなかったです)ので、原作とアニメで変えたところだったり、あの印象的な挿入歌の話だったり、最終話の色鬼の話についてちょっとした裏話を聞けたりと楽しいお話ができました。

一応21時すぎくらいまでの予定だったみたいですけど、話が盛り上がって23時手前まで懇親会が続きました。
8年前に出会った思い出の作品を作ってくれた方々と、こうやってお話させていただけること自体がすごく幸せなことだな、と思います。ぼんぼり祭りが今も続いてることだってそうですが、どんな作品でも何年も経ってこういうイベントがあるわけじゃないですからね。
第9回のぼんぼり祭りは台風で日程変更になった結果不参加確定になってしまった(悲しい)のですが、次の第10回は絶対参加したいですし、これ以降も続いていってくれると嬉しいです。

余談ですが、終わりが遅くなったのでめちゃくちゃ車飛ばして帰ってたらオービスが光った気がするんですよね。気のせいであってくれ。