その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

そうだ チベット、行こう。①立志編

前の記事にも書いた通り、世界一周をするためにいったん仕事を辞めた。

 


世界一周をしようと心に決めた1番の理由は、高校生の頃初めて海外の風景に心惹かれてから、行きたいと思う場所が多くなりすぎて、年に1〜2回の休みで海外旅行に出かけるという社会人生活に最大限迎合したスタイルでは一生かけても行きたい場所の半分も行けないだろうということに気づいたからである。

正直日本以外で生活するのは割と億劫なので日本に住みながら行きたい場所を全部廻れるならそれに越したことはないのだが、心に決めてしまったのだから仕方ない。
そういうわけで、世界一周の準備をするという名目で少し早めに退職することにした(出発は12月予定)のだが、退職後の予定を考えていた折に、「世界一周中に行くのが逆に難しい場所」の存在に思い当たった。具体的なケースを挙げると、ビザ免除最強国家の一角である日本のパスポート所持者に対してもビザを要求する(そしてアライバルビザ不可)国のことである。トルクメニスタンとか。

旅程そのものがが未定な時点で、国内でビザを取得することはできない。しかし、世界一周の先達のブログを色々と読んでいると、どうやらその手前の国の大使館でビザを申請することでこの問題はクリアできそうである。それはそれでめんどくさいが。
その次に頭をよぎったのは、チベット仏教の聖地、ラサのポタラ宮である。
ラサが属するチベット自治区に入域するためには、パーミットと呼ばれる許可証が必要である。このパーミットは基本的に現地の旅行会社を通してのみ発行され、個人で申し込むことはできない。世界一周中に中国の旅行会社とコンタクトを取りつつ、(おそらく日本以外の国スタートで)ツアーに参加するのは中々に骨が折れると思ったので、退職後の期間を利用してチベットを訪れるのはかなり良い選択のように思えた。ちなみに夏〜秋は同地域の観光シーズンでもあるらしい。

ちなみにパーミットの申込時にはチベット自治区内の何処を訪問するかも併せて申請しなければならないため、実質ツアー旅行確定である。今まで自分がやってきたような、とりあえず航空券だけ取って、何処に行くか、何処に泊まるかもその場で決めるような自由旅行は不可能なのである。

その上ガイドの同行も義務付けられている。ガイド付きの旅行なんて修学旅行以来である。
正直思った以上の自由度の低さにびっくりした(特にその土地に対してそこまで知識がない状態で旅程を確定させ、それ以外の場所は基本訪問できないというのはかなり心苦しいものがあった)が、それを差し引いたとしても今まで映像や写真など見たチベットの風景はある程度苦労をしてでも訪れるに値する唯一性があると思っているし、この地でしか見ることができない景色があることは期待しても良いだろう。そう考えて今回の旅行を決意した。

早速チベット旅行について情報を集め始めたのだが、びっくりするほどちゃんとした情報がない。

雑にGoogle検索をかければ(こういうのが好きな人には)おなじみの旅行会社のページが並び、ツアーの日程などが提示されているのだが、ほぼすべて2019年以前のもの数年前の募集がそのまま残っているところもあったし、サイトが更新されているのかすら怪しい。

個人ブログなど含めても、コロナ禍以降チベット旅行に行った日本人が居るのかどうか怪しいレベルだ。


今回のブログが変に説明口調な理由はここにある。
いつもは正直思考の整理と顔が見える範囲の人間への内輪ネタでしかブログを書いていないが、今回の旅行に関しての記事は「チベット旅行に行きたいと考えている、もしくは興味はあるが、何も情報がなくて困っている」というような人にささやかながら情報提供ができれば、という目的も含まれている。
海外旅行なんて万人にお勧めできる趣味とは口が裂けても言えないし、「行きたい」とだけ漠然と思いつつ具体的方策も調べないような人はどうせ行かないので別にいいのだが、本当に興味や行きたいという気持ちがある人が、調べても情報が得られないから、という理由で諦めてしまうのは本当に勿体ないことだと思うので。
n=1でしかない自分個人の経験を再現性のある全体像のように語るのは正直苦手だが、この旅に関してはできる限り具体的に、具体的な金銭的負担の部分まで含めて書こうと考えている。

正直この記事1つで有意差が出るとも思えないが、どこかの誰かの「旅に出たい」という気持ちの背中を押すことができていたら僕が浮かばれる。
いつも僕の駄文を読んでくれている皆さんに対しても、いつも通り暇つぶしとクソ絡みのネタになれるよう頑張って書いていく所存である。

 

そして実際のところ、日本人が現在個人旅行でチベットに行くのはハードルが高くなっていると言わざるを得ない、というのが自分の意見だ。
断っておくが、このハードルは金銭面と手間によるものであり、そこに糸目をかけないのであれば問題なく渡航は出来る。別にテロ組織が現在進行系で仏像や遺跡を爆破しているわけでもなく、麻薬カルテルの抗争真っ最中ということもないのだし。


その理由は以下の2つ。1人で行くならもう1個プラスされる。

 

①日本人に対する15日間の中国ビザ免除措置が停止されている
チベットどうこうではなくそもそも現在は中国旅行自体のハードルが上がっている。上海のディズニーランドに行くのも大変だと思う。
現在、中国に渡航する場合は短期旅行であってもビザを取得する必要がある。以前は日本人の15日以内の中国滞在はビザ免除だったのだが、COVID-19の流行を契機にその免除措置が停止されてしまっている。

この記事にもあるように免除措置が復活した国もあるのだが、日本は据え置きのままである。旅行者は勿論ビジネスの往来にもいちいちビザが必要なのでその界隈からは免除再開の要請がなされているが、どうやら外交カードとして使われてしまっているようなのですぐに元通り、とはならないのではないだろうか。
そしてこのビザを取るのに死ぬほど手間がかかるのだ。詳細は別の記事で。

 

チベット旅行を取扱う旅行会社が営業を停止している可能性がある、もしくは費用が割高
COVID-19の世界的流行で全世界的に観光業が打撃を受けた影響だと思う。
今回の旅行にあたって適当にGoogleで検索して、チベット旅行を取り扱う旅行会社10社程度に片っ端からコンタクトを取ったが、「コロナ禍以降チベット旅行は催行していない」「現地の旅行会社と連絡を取ってみるが、コロナ禍前と比して価格はかなり上がってしまう」との返事がちらほらあった。

そもそも返事があれば良い方で、Google検索で上位にヒットする会社でも全く返信がなく、現在活動しているのかどうかすら不明なところもあった。上述したが、現在チベット自治区に旅行するためには現地の旅行会社を通すことが必須である。その旅行会社自体がそもそも営業実態が不明であったり、ツアー料金が割高であれば当然旅のハードルは上がる。
こちらに関しても別記事を書こうと思っている。

 

③個人で行くと更に費用が跳ね上がる
これは1人で行く人の場合。
チベット自治区の旅行には、ガイドを付随させることも決められている。またその地理的特性上、公共交通機関の使用は難しく基本的に車をチャーターすることになる。ガイド代や車のチャーター費は複数人で旅行すればその分割安になるが、個人だとそうもいかないため必然的に費用は跳ね上がる。旅行会社のサイトを眺めている限りは、4人以上で行けば1人の場合と比べておおむね半分くらいの金額になりそうだが、チベットに行きたいというモチベーションがあり、なおかつその為に2週間近くの休暇を合わせられる奇特な友人を複数人探すのと、黙って淡々と金を払うのとどちらが簡単なのかは読者の判断にお任せする。

 

自分語りをしすぎて記事が長くなりすぎてしまったので、①②については別記事で言及することとする。そもそもこの記事を書いているのは西寧行きの飛行機の中でありチベット自治区にすら入れていない。
現地の旅行記も適宜更新していくので、気長に待っててもらえると助かる。