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イントゥ・ザ・スカイ ~気球で未来を変えたふたり~



今年3回目の新宿シネマカリテ。
Amazonが作ってる映画なのでPrime Videoでも普通に配信してるんですね(知らなかった)。

「天気は予測できる」と主張するも学会ではバカにされていた気象学者のジョーンズと、夫を気球事故で亡くしてから飛ぶのをやめていた気球乗りのアメリアが気象データを集めるため、そして(資金集めのショーという一面もあるので)世界最高高度を目指して2人で空へ向かう、というお話。

なんといっても気球での飛行により見える空の美しさ、そして厳しさの描写を楽しむ作品でした。序盤から雲の中で嵐で死にかけ、雲の上の景色を見てあまりの美しさに大声で叫ぶ2人。そして更に高度が上がると低酸素と低温が2人を襲う…と、息をのむような映像体験をさせてくれる。
宣伝の段階でやたらと『ゼロ・グラビティ』が引き合いに出されていたのですが、確かに「映画によって非日常の世界を疑似体験できる」という意味では近いものがあるような気がします。
そもそも映画の宣伝に他の映画の名前出すのはどうなんだって思わないこともないですが…。

特に雲の上の世界のあまりの美しさにジョーンズが大声で叫ぶシーンが個人的に素晴らしいと思っていて。
現代であれば飛行機に乗って雲の上の景色を見ることは珍しいことではないと思うのですが、少なくともジョーンズにとっては人生で初めての経験だったはず。
初めて見る美しい景色、しかも普通に生活していたら絶対に見ることができない景色を見たときの言葉にできない喜びが表れている名シーンだと思います。
エディ・レッドメインの笑顔が反則級に爽やかだし。
本当に爽やかイケメンのお手本みたいな俳優ですよね。Twitterみたらありえんキモオタかもしれない。

一方ドラマ部分は思ったより淡白だった印象。
学者のジョーンズとエンターテイナーのアメリア、ソリの合わない2人が気球に乗り合わせ、危機を乗り越えていくことで信頼関係を…っていうお決まりの流れで、2人のいがみ合いや過去もよく言えば王道ですが特に心情面でグッとくるようなところはあまりなかったかなあ。
1つ言うならばアメリアの「空を飛ぶのが好きだったのは夫がいたからなのでは?」という問いにはしっかり答えを出すシーンがあってもいいんじゃなかったのかなと思いました。映画を最後まで観ればアメリアの答え自体は自明だと思うのですが、問われたのであればそれをしっかり自分自身や妹に宣言してくれたほうが熱かったかなあ。

アマプラでも配信してたみたいですが、スマートフォンタブレットの画面で観てもこの作品のストロングポイントが伝わってこないと思うので映画館で観ることができて本当に良かった。引き合いに出しちゃいますが『ゼロ・グラビティ』は結局映画館で観れずじまいでしたからね…。

ジョーンズとアメリアを演じたエディ・レッドメインフェリシティ・ジョーンズは『博士と彼女のセオリー』でも共演していて、この作品も面白そうなので今度観てみようかと思います。というかこれも映画館で観ようと思ってて結局観れなかったやつなんだよな…。