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他人の好意を台無しにするブログ

劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」

先週から公開されていたのですが埼玉だと上映館が少ないのといろいろと予定があって映画館に行くのがすっかり遅くなってしまいました。そしてわかばとかいう辺境の映画館に行くことに。なんでこんなところでやってるんだよ…。

アニメは2017年の夏だからもう2年以上前なんですね。時が経つのは早い。

アニメ終盤にちらっと出てきた、ナナチとミーティが成れ果てになった原因である黎明卿ボンドルドとの対峙が描かれた映画。
公開前から「PG-12にするつもりだったけどR-15になっちゃった〜」とか不穏なニュースが流れてたのでどんな感じなのかは大体察してしまいますが…。

ほぼ全編にわたってボンドルドと対峙するわけですが、「倫理観が違いすぎて絶対に分かり合えない相手」であるこいつがずっと敵役として立ちはだかるためほぼずっとドン引き状態。敵キャラとしては魅力的なので褒めてますよ。
だいたいこの手のキャラって自分の命だけは可愛いみたいな小物くさい部分があったりしがちですがこいつは自分の肉体すらとっくに捧げている。会話は出来るけど絶対に話は通じないから「戦うしかない」。戦いの果てに相手と理解し合う王道少年漫画的展開も好きですが、こういう絶対に分かり合えない敵にはその熱さとは違った恐怖感があって面白い。リコ達も引きっぱなしでしたし。
負けたら素直に相手を称賛するし、プルシュカは彼を父親として慕っていたり、ナナチがボンドルドに向ける感情が憎しみだけじゃない部分なんかから、倫理観が他のキャラと全く違うだけで「悪人」ではないことが伝わってくるのもこのキャラの面白いところだと思います。間違いなく狂人だとは思いますが…。

映画全体が露悪的というか、これで胸糞悪くなってください!みたいな場面に露骨に尺取られてるのがすごく気になってしまいました(特にプルシュカの汁がこぼれちゃうシーンとそれを舐めるメイニャ)が、戦闘シーンなんかもアニメ版からだいぶ強化された迫力でしたし、映画館で観るのに相応しい映画だな、と思います。リコとプルシュカの友情とか色々思ったことはあるんですけどボンドルドのせいであんまり頭に入ってこなかったのでもう1回観て………いや、しばらくはいいかな……。