その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

ジョゼと虎と魚たち

 

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

 

アニメ映画版を観てすぐKindleで原作を購入。

 

ampleparkingdayornight.hatenablog.com

35年ほど前に発表された短編集であり、表題作は10分くらいで読み終わってしまう短さ。だからこそ他媒体に移る際に作り手の解釈やインスピレーションが入り込む余地が多分にあるのかなとは思いました。

 

内容はというと、恒夫とジョゼの関係がどこか歪で後先暗い。

現実と願望がごっちゃになっているジョゼのキャラクター設定だったり、祖母が亡くなったあとの先があるわけでもない2人の関係は頽廃的な印象を受ける。

 

そしてジョゼは、いつか恒夫が自分の元を去る予感がありつつそれを受け入れているきらいがあるのが、2人の関係が更に歪んでいるなあと思わせます。

「こんなのアニメにできるわけないだろ!」と思いつつ、「この原作をどう料理したらあのアニメが出来上がるんだ…」とちょっと思ってしまいました。ジョゼと恒夫が最初に出会うところ以外、アニメ映画と重なるシーンほとんどないですからね。

 

そして何よりアニメ版ラスト、恒夫とキスをした後のジョゼのセリフが、原作ではセックスの感想だったのは衝撃でした。

 

実写映画の感想もまた今度。

おしまい。