その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

劇場版 呪術廻戦 0

jujutsukaisen-movie.jp


www.youtube.com

2021年映画納め。

実家に帰る直前に品川で観ました。公開から1週間弱経っていたからか、思ったよりは人が少なくて良かったです。

幼少のころ、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。

「約束だよ 里香と憂太は大人になったら結婚するの」

怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、
最強の呪術師・五条悟によって、呪術高専に迎え入れられた。

そして、同級生の禪院真希・狗巻 棘・パンダと出会い、乙骨はある決意をする。

「生きてていいって自信が欲しいんだ」
「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」

一方、乙骨たちの前にかつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油 傑が現れる。

「来たる12月24日 我々は百鬼夜行を行う」

呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放ち――

果たして、乙骨は夏油を止められるのか、
そして、里香の解呪の行方は‥‥。

アニメも大好評でノリに乗っているジャンプ代表作の劇場版。

まぁ僕は原作読んでいないのですが。アニメはMAPPAクオリティと男前すぎる釘崎さんを楽しみに毎週観ていました。

 

本作は本編の前日譚で、主人公は(少なくともアニメでは)存在だけが語られた乙骨憂太。

とりあえず、「エヴァかな?」と思うくらいシンジくんとシンクロしすぎていた。この映画を観た人の9割が同じことを思ったでしょうが、これを言わずに本作の話をするのは無理でしょう。

明らかにエヴァを意識したようなカットもいくつかあったので狙ってやってるんでしょうけど、2021年に緒方恵美ボイスの内向的な少年が呪いを解く話ってもう実質シン・エヴァじゃん…。「生きてていいって自信がほしいんだ」ってたぶんシンジくんは言ってないですけどもはやシンジくんの方が言ってそうな台詞でちょっと笑いそうになってしまった。

 

TVアニメの範囲ではあまり語られなかった(虎杖やら伏黒から見ての)2年生がメインキャラで出ているので、彼らのディテールについて理解が深まった作品でもありました。狗巻くんの優しさだったり。パンダはパンダでしたが。

 

そして1番フォーカスが当たっていたのが真希さん。彼女がどんな境遇にあって、何故呪術師をやっているかはアニメの範囲でも語られていましたが、乙骨と絡ませることでかなり魅力が浮き出てきたキャラクターだと思います。仕方ないとはいえ、名字呼びに呪術の話を振ったりと真希さんの地雷を連続で踏んでいく乙骨くんにはちょっと笑ったけれど。

序盤のヤマである、今まで不幸な人生に受け身で流されてきた乙骨にアスカみたいに喝を入れるシーンは、狗巻でもパンダでも五条先生でもなく、彼女だからこそかけられる言葉だなあ、と思わされた。

劇中で乙骨も言っていたけどまさに「恩人」と呼ぶに相応しいでしょう。

真希さんは強い女性だけれどやはりその裏では葛藤というか、もがき苦しんでいる部分もあって、乙骨に自身の在り方を全肯定されたときに救われたような感情が漏れ出るシーンもかなり好き。正直惚れたし、僕も真希さんみたいに在りたい。

 

戦闘シーンはまさに圧巻。この作品、呪術を題材にしてるのにやたら殴る蹴るが多いな…と思ってはいたのですが、それをMAPPAのハイクオリティ映像でやられるのだからたまらない。最初から最後までどのシーンも見ていてただただ感心するしかなかったのですが、呪霊操作と格闘を組み合わせて戦うのが面白いなと思ったので、その移り変わりが目まぐるしい夏油 VS パンダが特に好きでした。

 

原作者の芥見先生は『BLEACH』や『HUNTER×HUNTER』と言ったジャンプ作品をリスペクトしているらしいのですが、随所にそういった作品からの影響がみてとれるのも面白かった。クライマックスの”純愛”なんてまんま「制約と誓約」でしたね。夏油の言っている「呪術師だけの世界」もどこかで聞いたことような…と思いながら観ていたんですけど麻倉葉王だった。ジャンプイズムが綿々と継承されているように感じます。

 

原作が単体で完結している前日譚であるということもあってか、1本の映画としてかなり完成度の高い作品になっていたと思います。

前述の通り原作は未読なので、乙骨くん何でケニアにいるの?とか、アニメの時系列には夏油普通に居たけどどうなってるの?頭の線が増えてるのと何か関係あるの?などと謎は尽きませんが、どうせ最後までアニメでやるでしょうから気長に楽しみにしておこうと思います。

何処かのタイミングで原作読むことになる気もしますが。