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他人の好意を台無しにするブログ

ゲット・アウト

 

ゲット・アウト(字幕版)

ゲット・アウト(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/19
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

 ニューヨークで写真家として活動している黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、週末に恋人の白人女性ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれる。歓待を受けるが、黒人の使用人がいることに違和感を覚え、さらに庭を走り去る管理人や窓に映った自分を凝視する家政婦に驚かされる。翌日、パーティーに出席した彼は白人ばかりの中で一人の黒人を見つける。古風な格好をした彼を撮影すると、相手は鼻血を出しながら、すさまじい勢いでクリスに詰め寄り……。

 

ほんの数日前に観た映画なんですけど、あまりの衝撃に前の記事でおすすめ作品に入れてしまいました。

元々『アス』に興味があってそちらを観ようと思っていたのですが、この監督って『ゲット・アウト』で有名になったんだよな…と思って本作から先に観ることにしたのがきっかけ。

 

観てすぐの映画を他人に勧めるのって体験版の範囲も終わってないのに「2Bちゃんあり得ん可愛くない????好き~~~!」とか言うのと似た感じがして恥ずかしい部分もあったりするのですが、それくらいの衝撃だったということで。

 

白人である恋人の実家を訪ねたアフリカ系アメリカ人の男性の身に、不可解な出来事が次々起こっていく…、というストーリーで、序盤から「白人」「黒人」といったワードが強調されるので人種問題がベースにある映画なのだろう、というのは容易に分かる。

それこそKKKのような白人至上主義の人間が襲い掛かってくるのだろうか…、と身構えていたのですが、そんな単純な発想で予想できる話ではなかった。

 

前半に散りばめられた違和感、不穏な描写。そしてババアが不気味すぎる。

終盤に明かされる真実によってその全てがひとつにつながるカタルシスがとにかく素晴らしい作品でした。一応ジャンルはホラー映画になると思うのですが、脚本の緻密さが凄まじい。なんせアカデミー脚本賞受賞作ですからね。

タイトルの『ゲット・アウト』(出ていけ)がこれまた秀逸で、あらすじだけだと黒人に対する排斥を意味するように思えますが、ストーリーが進んでいき本当の意味に気付いたときは鳥肌ものでした。タイトルにセンスがある作品はすぐ好きになってしまう。

変な邦題付けられなくてよかった

 

結論からいうと本作に出てくる家族やパーティーの参加者は黒人排斥主義者ではなく、むしろ彼らが話る黒人への好意的な意見はある意味嘘偽りないものだったのですが、その「一方的な好意の押し付け」と「個人の人格の無視」が本作の悲劇につながっているのが興味深い。敵意や排斥のような分かりやすい感情だけが差別じゃない*1、というメッセージを、抜群のエンタメ性を担保しながら描いた名作だと思います。

こんな作品見せられると同じ監督の『アス』の期待値も上がってしまいます。

観るのが楽しみ。

 

おしまい。

*1:全然関係ないですが現在放送中の『BNA』の4話も似たようなテーマだったな、と。あちらも名エピソード