その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

『エスター』

を観ました。
なんか眠れないなと思った夜に頭使わないホラー映画を適当に選んで観ることのできるAmazonビデオは神ですね。回し者ではないです。

エスター (字幕版)
ベラ・ファーミガ
2013-11-26


簡単なストーリーは死産経験あり元アル中の主人公(死産の子以外に子供が2人いる)が、孤児院でエスターっていう常にお姫様の格好をして、首と両手首にリボンを巻いたどう見てもメンヘラ待った無しな女の子を引き取ったことがきっかけで家庭が崩壊していく、って感じでしょうか。エスターがお人形さんみたいな美少女ではなく、生意気だったら一発殴りたいような顔をしているのがミソです。いつも思うんですけどホラー映画の出てる子役ってすごいですよね。

洋画のホラー観るときは大体スプラッタ描写とかサイコな登場人物が観たいだけであってあまり怖いと感じないのですが、この映画は観てて怖いシーンが多かったです。終盤のエスターの部屋の絵とかマジで凄かった。
まぁ日本でいう◯信アリとか呪◯みたいに無駄な脅かし描写が多かったのも事実ですが………。そりゃ唐突にデカい音が鳴って死角から誰か出てきたら誰だってビビるけどそれを怖がらせてるって考えるのはちょっと違う気がします。

本当に怖かったのはエスターが直接手を下さずに、主人公の家庭がギクシャクし始めて、少しずつ壊れていくところかなと思いました。妻はもともと死産で心の傷を抱えていて、さらにアルコール依存症だった過去があり、夫は過去に浮気してたことがあって、その時点で夫婦はお互いを完全には信用し切れてないんですよね。そこに狡猾に付け込まれて家族がバラバラになっていくのが妙にリアルでした。
妻の前では異常な一面を見せ、夫の前では被害者ぶって夫婦のすれ違いを作り出し、エスターが家族に亀裂を入れていく過程は、エスターの行動原理が謎なのもあってほんまにこのガキ何者やねんって感じで不気味でした。 本当にエスターの行動がいちいち恐ろしい。

オチというか、エスターの真実はなんかどっかの団体から文句言われるんじゃないかって感じでしたが、R15のサイコホラーに倫理観とか求めるのもアホらしいですね。全く予想できなかったのですがこれまでのシーンを思い出してみるとなるほど、となる展開でしたし、しっくりくるものではありました。
野暮な事を言ってしまえばこの手の映画に緻密なストーリーを期待してるわけではないので実は悪魔の子供でしたーとかでも全然いいんですけどね。いや流石にダメか。

いわゆるサイコサスペンス、サイコホラーってやっつけ仕事みたいな映画もあって凄く当たり外れの大きいジャンルだとは思います(と分かっててもサイコってついてるとついつい観たくなってしまう)が、観てて素直に怖い、面白い作品だったのでサイコパス映画が好きな人にはオススメしたいなと思いました。回し者じゃないけどAmazonプライムで無料なので是非。

あとスタッフロールの映像が不気味だけど美しいので観るなら最後の最後まで観ましょう。

おやすみなさい。