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他人の好意を台無しにするブログ

『仮面ライダーゴースト』

こんばんは。

秋といえば仮面ライダーの最終回の季節ですね。
1年間視聴してきたゴーストも今日最終回を迎えてしまいました。
一応本編は先週で終わりなのですが、今週は次のエグゼイドとの繋ぎで特別編扱いですね。
ということで1年間を通しての感想を簡単に書きます。

まず面白いなと思った点は主人公が歴史上の偉人、すなわち英雄たちの魂を使って戦うというアイデアです。モチーフとなった英雄を模したパーカーゴーストを切り替えて戦うというのは斬新(まぁ毎年斬新なのですが)ですし、仮面ライダーはそもそも子供番組であるからして、歴史上の人物を無理なくヒーロー番組に盛り込んで子供たちに提示した、というのは評価できる点ではないでしょうか。
フルーツの錠前やミニカーは話のテーマにはなれませんが、歴史上の偉人の魂を変身アイテムに位置付けることで英雄と主人公の心の繋がりを描き、眼魂に単なる変身ツールとして以上の存在感を持たせることができたのではないかと思います。
また毎年物議を醸すデザインも今作はほぼ好評だったのではないでしょうか。華奢なタケルくんが変身してる割には素体がちょっとゴツくないか? と思いましたがあのシンプルなデザインは555っぽくて素直にかっこいいなと思いました。
あとは氣志團の主題歌もかなり好きですね。シリーズの中では珍しい藤林聖子先生が作詞していない主題歌なんですけど、ぶっちゃけ本編より好きかもしれない。 


ストーリーは正直平凡だと思いますし、クライマックスの盛り上がりにも欠けるなという印象でした。特に思ったのがアデルとイーディスですね。どっちも物語の中核を為すキャラクターなのにいまいち何がしたいのか分からない。アデルは実質ラスボスなのに行動を起こす理由が幼稚というかなんというか、独善的で小物臭がしてそれでいて悪役としての魅力には欠けていたと思います。またイーディスも最初は全部知ってるみたいな顔で出てきたのに大事なところでトボけたりふざけたりするしワシにはどうしようもないとか言い出すし……後になって話の全貌が明らかになってくると「元はと言えば全部お前のせいじゃね?」って突っ込みたくなるんですが、若い奴に任せようとか言っててなんて無責任なんだ…と思いました。初期の全能オーラはなんだったのか………。
またこの番組はおもちゃ売る番組なので仕方ないのですが、主人公のゴースト以外の2人のライダーの扱いが終盤あまりにも悪かったのもマイナスポイントかな、と思います。スペクターもネクロムも非常に魅力的なライダーだと思うのですが、途中から明らかにやられ役、かませ犬と化しており、クライマックスも大した見せ場もなく雑魚掃除くらいしか役に立っていないような印象を受けました。
最後の戦いで仲間に肩支えられて後ろで笑いながらタケルの戦いを見てるだけっていうのはちょっとどうなんだと思いました。
あまり他の作品と比較するのは良くないと思うんですが、前作や前々作と比べるとサブライダーの扱いが露骨に雑だなと思いました。出てきた時はめっちゃ強かったのに……。

制作側としては「1度死んだ人間を主人公にすることで、命の大切さを伝えたい」という意図があったようですし、実際にタケルは命の大切さを誰よりも知っているキャラクターとして描かれているのですが、話の都合上最初に死ぬ→生き返る→消える→復活する(闘魂ブースト)→消える→復活する(ムゲン魂)とやっちゃっている(しかも理由がわりと曖昧)のでいまいちメッセージが伝わってこないのはもったいないなと思いました。主人公が死んでフェードアウトっていうのは無理なのでこれもしょうがない部分ですが、生き返りを多用することで命が軽く見えちゃうっていうのはこの手の作品としては割と致命的かなと思います。

総じてシリアスとコミカルの割合に難儀してとっちらかってしまった作品、という印象を受けました。今の時代にクウガ龍騎と全く同じような雰囲気を求めるのは無理なので(そういうのが観たい方はアマゾンズをお勧めします)、コメディ的な要素を取り入れ雰囲気を暗くしすぎないようにしつつ締めるとことはしっかり締めるという努力が求められているとは思うのですがやはりバランスは難しいんだなと思いました。

来週から始めるエグゼイドは何と主人公が1年目の研修医なのでそういう意味でも 注目していきたいかなと思います。ゲームを模したアイテムで変身するようですが流石にクイズゲームライダーはいないでしょうね。

おやすみなさい。