その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス



前作『仮面ライダークローズ』が微妙すぎて放置していた『仮面ライダービルド』のVシネ第2弾。

「クローズで観るのやめちゃった人も観てほしい」みたいな意見もちらほらありましたし、Amazonプライムで配信開始していたので観てみることに。
500円でレンタルするやつだったのですが無料じゃないって理由で★1のレビューが付いてて世も末だなと思いました。


そもそも『クローズ』がしっくり来ない理由に、戦兎たちが1年間命をかけて戦って世界の在り方まで変えて作った新世界にもエボルトがいて、また戦いが始まるなら、本編の戦いはなんだったんだっていうのがあって。

最近の仮面ライダーシリーズはテレビ本編終了後も映画やVシネマでの展開が続くのがほぼ確定って分かっているのに、「敵もライダーもいない別の世界」をエンディングに設定した時点で悪手だと思うのですが、ちゃんとこの後の展開考えて最終回書いたんでしょうか…。

クローズと万丈はむしろ好きな部類です。


そんな中で今回の主役は世界一カッコいいドルオタ、猿渡一海が変身する仮面ライダーグリス。

前作『クローズ』の時点で、なんやかんやあって本編の主要登場人物は旧世界での記憶を取り戻しています。

キャラクターの掛け合いや、ちょっとしたシーンから分かるお互いの信頼感、助け合い助けられるライダーたちと言った「ライダーの見せ場」に関しては本当に熱いんですけど、そこに至るまでのプロセスがガバガバ過ぎる。
無人島でたまたま間欠泉を浴びたから相手に変身能力を奪われないとか、強化アイテムを作るためには仲間の命が必要(そして仲間の命に関わる強化アイテムを平然と作る戦兎くん、ほんまに悪魔の科学者やんけ!)とか、尺が短いということを考慮しても本当にガバい…

特に白いパンドラパネルとブリザードナックルを勝手に持っていかれるシーン、本編でも同じことやってたしそれで一海は死んでるんだよなあ…

本編ではそのガバガバからの流れでシリーズトップクラスの熱い変身シーンに繋がったので誉めた方がいいのか苦言を呈した方がいいのか本当に判断に困る。


「ガバで片足が沈む前にエモでもう片方の足を進めて水の上を走るような作品」って言っていた人が居ましたが本当にその通りだと思います。

明らかにマイナスなのは「ファンがネットで騒いでるネタを過剰に押し出している」のが目についた点。
ホテルネタ(60分で2回出てきた)とか難波スティックとか、ネットでオタクが楽しむのは別にいいんですけどそれを作り手側がゴリ押ししてくるのはどうなんですかね…と個人的には思います。
SNSが発達して観る側も意見を発信する側になっている時代で、作り手側がそれを参考にする…という行為自体は全く問題のないことだと思うのですが、あまりにも迎合しすぎ(そしてネットのオタクの意見というのは「仮面ライダー」というコンテンツが迎合すべき対象なのか?)な部分、悪ノリしすぎな部分を感じて、そこは一線引いてほしいところでした。
幻徳のTシャツによるキャラ崩壊といい、この作品のギャグ要素はあまり受け付けない点が多かった。


良いところも悪いところも『ビルド』だし、『クローズ』とそんなに違うか?というのが正直な感想。
本編の補完でも、本編後のキャラの変化を描くでもなく、ただ新しい事件が起こっただけ。
グリスの新フォームはかっこいいけど、ブリザード初登場回のインパクトには勝てないですね。

違いと言えば本編の宿敵であるエボルトが一切登場しないので、「あの1年間はなんだったんだ…」感はそこまで感じなかったくらいでしょうか。
せっかく新世界作ったのに戦争ばっかりって時点で本編最終話の余韻は台無しなのですが。






あと本当に推しと付き合ってどうすんねん。