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他人の好意を台無しにするブログ

劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死身の剣士と破滅の本/劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME

kamenrider-winter.com

 

新型コロナウイルスの流行により、毎年恒例の『ゼロワン』夏映画は公開延期、さらにいつもはスーパー戦隊との同時上映であるところも、最新作『セイバー』短編映画との同時上映となってしまいましたが、何とか公開されて良かったです。

ただ『ゼロワン』のTVシリーズ本編はヒューマギアや「夢」というテーマの描き方、キャラクターの扱い方に許容しづらい部分があって、もはやそれだけで長文記事が書けそうなレベルだったので期待値としては微妙だったのですが…

 

『セイバー』は短編映画ということを抜きにしてもストーリーがほぼ存在しておらず、各ライダーが口上を叫びながら斬りあってるだけでした。本編もそんな感じなんですが。

現在の社会状況下で変身前のドラマパートに尺を割くことが難しいなど、制作上の制約は勿論あるのでしょうが、現状毎週のように全ライダーが変身して敵と総力戦していて本筋は全く進まない(もしくは視聴者を置き去りにして急ピッチで進んでいく)し、この番組大丈夫なんだろうか…。

ゲストの敵ライダーであるファルシオンが完全に鷹山仁だったのは面白かったです。

 

『ゼロワン』の映画は本編後の或人達が「エス」と名乗る人物とその信者たちが変身する量産型ライダーによって引き起こされる事件に立ち向かっていくストーリーだったのですが、本作の敵ライダーである仮面ライダーエデンがめちゃくちゃかっこよかった。

最初に公開されたデザインを見たときから好みではあったのですが、闇夜でのアクションや変身者がナノマシンの集合体であったことによる再生能力やシャウデンさん並みに血を操るかのような戦闘演出も全てがかっこよかった。今まで観た平成(令和)の劇場版ライダーでもかなり好きな位置にくるキャラクターでした。

その分物語上のラスボスが彼ではなく、なんか小物っぽいやつに変わってしまったのは残念ですが。思いっきり戦い合ってほしかった…。

 

ライダーのガワで言うと、本編では中盤からよくわからない立ち位置になってしまって変身すらしなくなった刃唯阿さんが演じる仮面ライダーバルキリーの戦闘シーンがかっこよく描かれていたのも好印象でした。

news.mynavi.jp

唯阿は演者の方がインタビューでここまで言うくらい作中での扱いが迷走していたキャラクターで、観てるこっちまで胸が痛くなってくるレベルだったので、劇場版でしっかり活躍があったのは嬉しい。

元々クレバーなキャラクターで、序盤に見せてくれたスピーディーかつ戦略的なアクションはそのキャラクター性が存分に反映されていて、シリーズでもなかなかない「アクションが好き」なライダーだったのでそれが久しぶりに見られて良かったです。

 

「匿名の悪意の集合体」が最終的な敵となるストーリーも、AIというか、テクノロジーを題材とした『ゼロワン』にふさわしい話でした。本編でも「人間の悪意」が重要なファクターだったのですが、お見せされる悪意は不愉快な小悪党みたいなのばっかりだったので、今回の、現代社会とリンクした生々しい悪意がライダーたちの敵になるストーリーはかなり没入感がありました。社会に不満を持つ一般人が、軽い気持ちで集合し、アバターを介して変身して事件を起こすのですが、その変身に使われるのがイナゴのプログライズキーというのも皮肉が効いていて素晴らしい。

 

本っっ当に公開前はそこまで期待していなかったんですけど、ストーリーもアクションも秀逸な作品だったと思います。なんでこれを本編でできなかったんだ…

あと今作のヘルライジングホッパーしかり、アルトくん身を滅ぼすような変身多すぎませんか?

 

おしまい。