適当漫画読書記録
友人に勧めてもらった漫画を読んだよって報告したらブログに感想お願いします!と言われたので。
漫画歴はアニメ歴や映画歴よりも長いし色々読んではいるのですが、確かにいちいち感想を書くことって殆どないんですよね…。
せっかくなので最近読んだやつも併せて簡単に感想を。
全部ここ数ヶ月でまとめ買いしたやつです。
カラーレス
太陽光フレアで地球は色素を失い、人間は異形化してしまった世界を舞台にしたSFアクション作品。
元々同人誌として作っていたものが出版社の目に留まって連載が決まったという割ととんでもない経歴で世に出てきたらしいです。漫画かよ。
白黒のメディアである漫画にこの世界観を持ち込んだ時点で既に勝ちみたいな部分がありますが、作品全体がそのアイデアを活かすように作られているのが良い。
わずかに残った「色素」は高効率のエネルギー源と化し、それを独占するための陰謀が張り巡らされ、主人公側も「色」を用いて戦う。そしてその「色」の部分のみカラーで表現されている…と世界構成と漫画表現をうまくマッチさせるセンスが半端ない。
子供時代に白黒映画を観て「昔は世界がモノクロだった」と勘違いしていた微笑ましい経験から着想を得たみたいですが、笑い話のような幼少期の経験を創作に転化できるのも才能ですよね。まだ2巻までしか出ていないのですが、続きが楽しみな作品です。
チェンソーマン
チェンソーの悪魔・ポチタと融合した主人公・デンジがデビルハンターとして悪魔を八つ裂きにしていくというバトル漫画。
作者もキャラも頭のネジが飛んでいるので半分ギャグみたいな感じもありますが。
デンジくんの戦うモチベーションが完全に三大欲求丸出しで、それを周りの人間に見下されたりするのですが、その欲求に誰よりもまっすぐで執念深いところが彼の魅力。
基本頭のネジが飛んでる作品ですが、根底にあるのは「動機(あるいは夢)の貴賤なんてどうでもよくて、重要なのはその動機でどれだけ動けるかと実際に何を成すか」というメッセージではないでしょうか。
大層な目標や綺麗な動機を抱えてる人、何となく偉く見えてしまいますけど結局大事なのは「結果として何を成し遂げたか」だと思うので。
「じゃあ夢バトルしようぜ!夢バトル!!」
「俺がテメーをぶっ殺したらよぉ~…!てめえの夢ェ!胸揉む事以下な~!?」
というセリフがただただ痛快でした。
描写は限りなくグロテスクなのですが、読んでいて気持ちのいい作品です。
SPY×FAMILY
職場の先輩からお勧めされた漫画。というかそこら中で推薦されてますよね。
凄腕スパイ・黄昏が任務のため仮初の家族を作ることになるが、娘は超能力者、妻は殺し屋でそれぞれが家族の裏の顔を知らないまま…というコメディ漫画。このアンジャッシュのコント感ある設定だけで既に面白いのですが、娘アーニャがいい感じにバカで可愛くて魅力全開のキャラクターになってるなーと。
純粋にコメディとしても良質なのですが、偽物の関係性がいつしか本物の感情を纏う話が大好きなので、本人たちも無自覚のままに家族の絆が育まれているというハートウォーミングな描写も読んでいて楽しいです。
焼きたて!!ジャぱん~超現実~
令和の世に突如出てきた『焼きたて!!ジャぱん』の続編的作品。
連載当時敬虔なサンデー読者だった僕は『ジャぱん』にガッツリハマったクチで、実際に家でパンを焼いてみたりもしていました。あの頃のサンデーは面白かったなあ(老害)
一応『ジャぱん』が漫画で連載されていた世界、つまり現実世界に寄せたリアルな世界という設定をされているんですけど、1巻の時点で死に設定のような...。超現実とはいったい。
パン作りに関する知識面がしっかりしているのは勿論なのですがパン食べて過去に遡ったり5万人のメーテルに出会ったり人がダムになったりするふざけたノリが結構好きだったので、それが完全に継承されていて面白かったです。
「エース」という名前のパンを食べて合体するあたりとかもう完全に「焼きたて!!25」感がすごい。
正直かなり面白いので、エロ同人描いてないでさっさとこっちやってほしかったです。
アクタージュ act-age
ジャンプでは珍しい演劇漫画。これも知り合いがめっちゃ褒めていたので大人買い。
天才的な役者の素質を秘めた主人公・夜凪景が演出家に見出だされ、 様々な人物と出会うことで役者として(そして多分人間としても)成長していく物語。
とにかく演技のシーンの圧が強い作品で、特に10巻の『羅刹女』は文字通り手に汗握るレベルで紙面から目が離せなかった。紙がふやけちゃうので電子書籍デビューするか?
書き込みが凄い、といった画風ではないと思うんですけどキメる場面での景や他の役者を魅力的に描き出す絵力は凄い。
ストーリー中、景の成長と並行して「芝居にのめり込むことの危うさ」が強調されているのが印象的でした。芸術に没頭するあまり壊れてしまう人物を描いた作品としては『地獄変』や『ブラック・スワン』あたりがパッと思いつきますけど、少年漫画でこのタイプの作品って珍しいような。周りの大人も人間としてアウトな倫理観をお持ちな方ばかりなのですが、私欲ではなくそれぞれの信念を持ってアウトな行動を取ってるので不思議と不快感はない。怖いけど…。
景に出会ったことで越えられない才能の存在を知ってしまった「普通の役者」である百城千代子の変化やぶつかり合いも読んでいて熱くなる*1ポイント。才能の差を自覚しながらも絶対に負けたくないという彼女の意地が羅刹女編をの熱量を上げてますし、こういうキャラがいると一気に物語への没入度が上がってしまいますね。
現行最新巻である10巻の盛り上がりがとんでもないので、早く先が読みたい。
ささやくように恋を唄う
- 作者:竹嶋 えく
- 発売日: 2019/06/18
- メディア: コミック
「好きな漫画は百合漫画!」を豪語する友人からお勧めされた女の子同士の恋愛漫画。
好きな漫画のジャンルはSF、アクション、サスペンスなのでこのタイプの漫画に自分から手を出すことはほとんどなく、新鮮な気持ちで読めました。
登場人物が全員女の子で当たり前のように女の子と付き合おうとする女子高ファンタジック空間に(最初は面食らいましたが)慣れてしまえばこっちのものです。
今まで恋をしたことがない2人の女の子が意味の違う「一目惚れ」をきっかけに近づいていく学園もの。これもアンジャッシュのコントかよ
「言わないから伝わらない」系の作品はよくありますけどこの2人に関してはちゃんと言葉にしてるのにこれ。日本語って難しい。冷静になってしまうとひまりちゃんの言い方に問題があると思いますが…。
きっかけが勘違いだったとしても、1度スイッチが入ってしまった恋心はもうそれまでには戻れないっていうのが一目惚れを描いた本作の面白いところじゃないかなと思いました。一目惚れって究極の青田買い、惚れた方が負けの極致みたいなもので、後からどんな不都合な真実を知ってしまっても一度好きになった気持ちは止まらない。
ひまりの「一目惚れ」は意味が違うものだと後に気付いても、やっぱり依先輩の恋心が消えるわけじゃない。
結局きっかけがなんであれ大事なのは感情が本物になるかどうかなんですよね。そういう意味では依先輩に共感する部分は結構あります。心労は察して余りあるけど…。
ということで最近読み始めた作品を簡単にまとめてみました。
どれもクオリティ高かったので本棚に並べてよかったな~と思える作品ばかりでした。
本当はもう1作あるのですが、あまりにも書きたいことが多すぎて他全部合わせた分くらいの文字数になってしまいそうになり、今回はお蔵入りとしました。
いつか書くかもしれません。
視聴数カウントも兼ねて感想を残してる映画と違って、毎日のように何かしら触ってるアニメや漫画の感想はキリがないので正直筆が乗らない部分があるのですが、その当時の感想の固定化が有意義な作業である実感はわいてきたので書く気が起きたら書いていきたいですね。
おしまい。