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他人の好意を台無しにするブログ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

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色々あって公開延期を繰り返した本作もやっと公開。誘われたのでアラサー3人で観にいきました。

 

まず本編10話のエピソードに出てきたアンに宛てた手紙をその孫が見つける場面から始まってあざといな~~~、ってなりましたが、この時点で両隣のアラサーからすすり泣きが聞こえてきました。そしてライデンシャフトリヒの海をバックにしたヴァイオレット、めちゃくちゃ画になるけどめっちゃ尺長かったな…。

 

予告でなんとなく察してはいたものの、あんだけ本編で引っ張ったギルベルトが普通に生きてたんかい…ってところでだいぶ引っかかってしまったのですが、終盤の石川由依さんの演技で割と全部持って行った感がありました。みんな泣いてたし。

個人的にはギルベルトが実は生きてました~みたいなベタな展開はほんとに望んでいなかったんですけど、島に行ってからの演出と演技は掛け値なしに良かったので困っちゃうところ。

C.H社での仕事にも割と愛着あるんじゃないかな?と思ってたけど少佐と暮らすために辞めちゃうのか…とか、他にも話づくりとして思うことがないわけではないんですよね。

勿論それだけギルベルトへの想いが強いっていうのはよく分かるのですが、それだけだったら最初と変わらないのでは?という気もしてしまう。いまいちヴァイオレットのキャラ造形にハマれてないのかもしれない。

 

一方で、本編の終盤から伏線はあった「技術が進む中で、手紙は、自動手記人形はどうなっていくのか」という問いに関してしっかり描かれていたのは個人的に良かったです。

本作のゲストキャラであるユリスの最後の言葉は、手紙では伝えられなかったけれど「いけ好かない機械」である電話で伝えることができて、ヴァイオレットはギルベルトを前にして言葉も出なかったけれど気持ちは間違いなく伝わっている。

ギルベルトの手から手紙が飛んで行っちゃったのが象徴的でしたが、手段は時代と共に移り変わっても、「気持ちを伝えること」が本質なんですよね。

じゃあ手紙ってもう要らないのでは?って結論になりそうですが、最後にデイジーが「言葉では言えない気持ち」を両親への手紙にしたことで、手紙という手段の役割が示されたのが綺麗な落としどころだなと思いました。

 

完全に余談だし本編終盤からそうだったんですけど、ヴァイオレットに向けるまなざしが変わっていくディートフリートが好きなんですよね。最初めちゃくちゃ嫌な奴だったのに…。

本編9話で「過去は消せないけれど、その後に成したことも消えない」というメッセージがありましたが、ディートフリートもギルベルトも、あの時のヴァイオレットと同じような思いに苛まれていて、それでも前に進んでいかなければならない。

ヴァイオレットを想って「ギルベルトのことは忘れろ」と、自分にもできないことを言うところや、海辺でギルベルトと顔を合わせたシーンは良かった。

なんだかんだ本作で一番好きなキャラかもしれないです。

 

映画館もしばらく新規公開がストップしていて寂しい時期もありましたが、それなりに落ち着いてきて、いろいろと公開作が控えているので楽しみです。

ただ映画館には申し訳ないけど、前後左右空いてるの快適すぎて元に戻れないかもしれない…。

 

おしまい。