その分現金でくださいよ。

他人の好意を台無しにするブログ

2023年3月振り返り

新年度ですね。(執筆時点)

仕事柄年度初めでも繁忙期というものがなく、職場のメンバーも増えたので割と心地よい4月を過ごしています。まあ、数ヶ月後には僕が辞めるんですけどね

ということで3月の摂取物の振り返りをしていきます。

 

映画

①フェイブルマンズ

fabelmans-film.jp

スティーブン・スピルバーグの幼少期をモデルにした自伝的作品。スピルバーグはみんな好きだろ!ってめっちゃ映画見てる風な人ぶってましたが、よくよく思い返してみるとそんなに観た映画が多いわけでもないという。直近の『レディ・プレイヤー・1』と『ウエスト・サイド・ストーリー』はたまたま観てたけどあんまり監督名は意識してなかったな。作品は内容で選ぶ派なので。

ぶっちゃけスピルバーグの人となりを知らないのでどこまでが実話に基づいた話なのかは分からないんですけど、主人公サミーの父親が(自分もPCオタクなくせに)息子の映画撮影を"役に立たない"ものとして切り捨てようとしている場面は印象的でした。エンタメに関わる人間としては一番嫌な言われ方だろうなあ…

父親の話をしたので母親についても言及しますが、こっちはこっちでサミーがファミリームービーを撮ったことで母親の不貞が明らかになって、家庭が壊れてしまう一連の流れは最近流行り(?)の「撮る」「見る」ことの暴力性を感じるシーンでした。

とはいえ「撮る」ことは悪い事ばかりではなく、プロムの記念ムービーがきっかけでクラスのヤンキー(ジョックスって言った方が適切だと思うけど)と片時の友情を結べたシーンが本作随一の盛り上がりポイントでした。自身にコンプレックスを感じていたローガンが、映画を通して「自分がどう見えていたか」に気付いて自分の知らない自分を見る。ここでは間違いなく"役に立たない"と言われた映画が1人の人間の人生を動かしてるんですよね。熱い。

どこまで事実なのか分からない(2回目)けど、"撮る"ことが何をもたらすか、というのに向き合った経験が今の映画監督としての人生に繋がっているということなんでしょうか。

 

②エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

gaga.ne.jp

こんなアホみたいな映画がアカデミー作品賞を取る時代になったのか。

というかA24の勢いが凄いですね。

受賞自体にはアカデミーは多様性を意識した作品を評価できますよアピールを感じてしまわないこともないですが、まぁ作品自体はフラットに観ていきましょう。余りに情報過多すぎて途中から半分くらい頭を使うのをやめて観ていましたが。

近年のシリーズでは常識の"マルチバース"そのものを題材とした作品で、マルチバースの自分を降ろす(この言い方で合ってるのか?)ときに変な行動をしないといけない、という設定はコメディ的に面白かったですね。この世界のエブリンに白羽の矢が立ったのが「いろいろな可能性を諦めた=あらゆる可能性を受け入れられる」という作りだったのは感心してしまいました。

 

③シン・仮面ライダー

www.shin-kamen-rider.jp

途中から完全に人類補完計画になってましたけど大丈夫なのでしょうか…。

アクの強いオーグたちの印象は強かった*1のですが、1本の映画としての盛り上がりは今までの作品と比してどうしてもパンチが弱かった印象です。テーマ性はちゃんと「仮面ライダー」なのは分かるのですが、全身で作品にのめり込むことができなかったというか、有り体に言ってしまえば絵面が地味というか…。

本作で病的なまでにトレースされている初代ライダーの素養が乏しかったのも痛かったもしれません。

 

 

④The Son/息子

www.theson.jp

認知症患者の感じる世界を映像化した意欲作『ファーザー』が結構好きだったので、同じ監督の本作についても是非観たいと思っていたのですが、いかんせん上映館が少ない。平日の夜に埼玉から新宿まで行ってレイトショーを観ることになりました。

息子の様子がおかしいと思ったら実はうつ病の症状で、息子が懇願するあまり医師の入院勧告を断って家に帰らせた結果自殺されたという救いようのない映画。

正直うつ病で病院に運ばれて、息子が入院したくないって言い出したあたりからオチは見えていた。(映画だからしょうがないんだけど)医者の説明の仕方も若干疑問符が付くものがありました。精神科医の言っていた「今は愛は役に立たない。必要なのは治療」という台詞は本当にその通りで、"可哀想"とか"助けてあげたい"という、正しい知識を伴わない"お気持ち"があまり好ましくない結果につながるという経験は残念ながらあるんですけど、それをどう分かってもらうか…難しい話ですよね。

完全に仕事の話になってしまったけど作品の問題点もここにあると思っていて、映画の中でニコラスに起きていることは父親との心のすれ違い、という類のものではなく普通に病気の症状なんですよね。これを「心の距離」とか予告しちゃうのは詐欺か映画の内容分かってないだけなのでは…と思いました。

精神科のビデオ教材としては世界一豪華なキャストだと思います。憔悴するヒュー・ジャックマンの演技は「逆に父親が死ぬんじゃないか?」っていうくらいの印象がありました。

 

グリッドマンユニバース

ssss-movie.net

最・高。2023年初の複数回鑑賞作品と相成りました。

『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』の2作品は好きなところもあるけど正直イマイチなところもあるかな…くらいの立ち位置の作品だった*2のですが、その後日談として欲しい映像がこれでもかというくらいにスクリーンから出力されている、エンタメ性に満ちた作品でした。

その中で一番好きな要素を挙げるとすれば『SSSS. GRIDMAN』の物語から取り残された存在だった、"本物の"響裕太が実は誰よりもヒーローとしての精神性を備えていたというところでしょうか。自分を投げ出して戦うことにあまりにも迷わないその姿、五代雄介かよって思いました。いや五代くんでももうちょっと迷ってたと思う。グリッドマンが憑依したときに裕太の記憶は飛んじゃったけど、仮にそうなっていなくてもグリッドマン同盟として戦ったんだろうなという安心感がある。

そんな裕太の「六花に告白する」という強い気持ちがきっかけで(またもや)世界を救って、平和になった世界で六花に告白する。「青春×ヒーロー」の要素が綺麗な導線を伴ってラストシーンに収束して行ったので観ていて本当に気持ちが良かった。

六花も六花で裕太がグリッドマンに変身するたびに嫌がってたり、夜の公園で告白待ちしたり、めちゃくちゃ露骨にレール敷かれてましたね。蓬が「あの2人まだ付き合ってないらしいよ(笑)」ってマウント取ってたのは笑ってしまった。

ガ…レックスさんと蓬の再会、まさかのお姫さまの登場、アカネの参戦とアンチとの会話、そして最後に裕太の告白…本当に今までこの作品を追ってきた人の「欲しい」が詰まっていました。

劇場で見るグリッドマンやダイナゼノンのアクションもひたすらに楽しかった。アニメでも作画凄かったけどスクリーンで見せつけられる画の迫力と『UNION』→『インパーフェクト』→『uni-verse』の3連続は興奮を抑えられなかったですね。

ちょっと弱いなと思ったのは、昨今のヒーローものの宿命として敵側の描写が薄いのが若干物足りなく感じてしまう点くらいでしょうか。そんなの気にならないくらい楽しい映画体験でしたが。

 

映画しか観ていないのかと言われるとそうでもないんですが、書くことがこれくらいしかないということで。というかもう5月なんですけど。

*1:さすがに長澤まさみさんには謝ったほうがいいと思う

*2:この作品の主題って、なに?と言わんばかりのヒロインの魅力とか、主題歌については文句のつけようがないと思います

どくしょかんそうぶん

皆様ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか。

僕はというと、ひたすら小説を読んでいました。

去年から作家単位で追いかけていて、ちょこちょこ作品を読ませてもらっている辻村深月さん。

先日本屋でこちらを見つけて購入して流し読みしていると、今まで刊行された39作それぞれについてのショートインタビューを見つけて「初期の作品、全然読んでないな…」ということに気付いたので、未読の作品を少しずつ読んでいこうと思いました。連休中どうせ外出もしないし。

10代の時と比べると読書というか、活字に対する集中力がだいぶ落ちたなという自覚はあるのだけれど、それでも面白い小説に出会うと夜中3時やら4時までページをめくる手が(Kindleだけど)止まらなかったりするし、自分が30歳になっても小説に没頭できる人間であることは少しありがたく感じました。

で、今回はその感想の書き殴りです。

 

『冷たい校舎の時は止まる』に続く2作目。その『冷たい校舎~』を読んだときにも感じたことだけど、自分が直近の作品から入ったからか全体的に粗削りな印象はどうしても拭えなかった。小説内で起こるだいたいのことは受容する性質だけど、少なくとも2年以上の付き合いがあるのに狐塚と月子が兄妹なのに気付かないのは流石に…と思ってしまった。その勘違いに起因する拗らせが浅葱の行動に繋がってしまった分余計に…。

まぁこれを高校生の頃に書いてたって考えると凄すぎるけれど。月子と紫乃の歪な関係性とか、ちょっとしたことで壊れてしまいそうな人間関係を描くのは本当に上手いなって思う。

内容とは全く関係がないけど、表紙イラストが可愛らしいタッチなのに憂いをたたえた表情ですごく心魅かれるものがある。上巻と下巻で「闇」と「光」になってるのも面白い。

見た目的には多分月子だと思うんだけど、こんなイメージのキャラクターなのか…?

 

『子どもたちは夜と遊ぶ』に出てきた秋山先生がメインキャラクターとして登場していた。『子どもたちは~』では結局明かされず「そういえばなんだったんだあれ?」となった部分がこちらで回収されていく。流石に特殊能力だとは思わなかったけど、こういうちょっとした超能力で何かに立ち向かっていく話は伊坂幸太郎の『魔王』を思い出して懐かしく思ったり。

「ぼく」と秋山先生の会話がまた示唆に富むもので、悪意や復讐、正しさといったことについてこちらも考えさせられる。主人公が小学生とは到底思えない。嘘ついて能力の実験したりそもそも言う予定の条件提示すら嘘だったりと、この子あまりに賢すぎるでしょう。あとうさぎを殺した医学生の描写がほんまにカスすぎたのも凄い。「いつかの自分と同じように飴を舐めているのかな」→「ガムを噛んでいる」が悪辣すぎて少し笑ってしまった。

一冊まるまる超能力の話をしておきながら、ふみちゃんの心を動かしたのは能力じゃなくて純粋な気持ちだったことを仄めかして終わったのがすごく晴れやかな読後感に繋がっていた。なんやかんや言って人を動かすのは純粋な気持ちなんだということを信じたくなる。

あとめっちゃ「ダイナソルジャー」って単語が出てくるから『SSSS.DYNAZENON』を連想してしまう。偶然だろうけど。

序盤で、環が彼氏と別れた記念パーティーの描写から滲み出る雰囲気が微笑ましかったのでこのまま関係性崩れないでくれ…と思っていたけどさすがにそれでは小説にならないし、無理な注文だった。あのサークラ女さえ来なければ…。

登場人物みんながそれぞれ拗らせてたりダメなところがあって、そこが読んでいて愛らしい。この不器用さがクリエイターっぽいのかなと。群像劇としてどこを切り取っても楽しく読める作品だった。

作者自身もインタビューなんかで語ってるけど「物語に救われたり、支えられたりした経験」への暖かい眼差しが感じられるのは好きな点。

その対極にいたのがサークラ女こと莉々亜ちゃんで、フィクションの価値を軽視していて、そのくせ自己顕示欲のために嘘までついて周りで起きる悲劇をファッションのようにオンデマンドで消費する困ったちゃん。そんな莉々亜ちゃんと環が対峙する場面が物語の一つの山場だったし、やっぱり印象的だった。

 

作中から漂う青春感が眩しい作品だった。

「未来に起こる誰かの自殺を止める」っていう目的のもとに動いているからやや不謹慎かもしれないけど、高校生がひとつの目的のもとに集まって悪意に立ち向かったり、自分のできないことと向き合ったりするのはやっぱり青春でしょう。本当に楽しそうだったから普通に羨ましかった。また青春コンプレックスが刺激されてしまった…。

いじめの描写があまりにも真に迫っていたから、実は語られたことほぼ全部が仕込みでしたってネタばらしされてもほんまか???と思ってしまったけれど。

青春小説+少し不思議なエッセンス、っていう物語の作り自体は頻出だし、辻村作品でその仕組みが明確に説明されることもないので、いつかが3ヶ月後の未来から飛んで来たって言う設定はそういうもんなんだろうな…と思ってたけどそこをエピローグでしっかりひっくり返して来たのも読んでいて気持ち良かった。秋山先生っぽい人出てたから何かしら絡んでくるのかな…とは予想していたけれどまさかそもそも物語のきっかけから「そう」だったとは。流石に本作は過去作を読んでいるかいないかで終章から得られるカタルシスに大幅な差が出そうなので、今後もできるだけ刊行順に読んでいこう…。と思わせてくれた。

 

…とまあこんな感じでずっと本を読んでたら連休が終わってしまった。アニメ観たり映画観に行ったりもしてたけど、間違いなく小説を読んでいる時間が一番長かった。

同じ作家の小説を連続で読んでいると見えてくるものもあって、作品を越えた登場人物のリンクも勿論そうなのだけれど(繰り返すが、本当に刊行順ベースに読んだ方がいいのだと言うことには気付いた)、根底に共通するテーマという点で。


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生きるにあたって他者と交わることは必須なのだけど、それは「自分のため」というエゴでもある。ただ、都合よく他者を消費することあってはならない。

という風に「自分」と「他人」をどう関わらせるか、関わっていくかという話が今回読んだ全作品で触れられていたように思った。「愛」の話はめっちゃ出てきたし。

 

特に初期の辻村作品、もう少し若い時分(2000年代後半あたりが一番熱心に小説を読んでいた時期だと思うので、尚更)に読んでいたら人生また違ったルートに進んでいたのかな…と思わないこともないけれど、この歳になったからこそ感じる魅力というのも間違いなくあるのでどっちもどっちかな。

少なくとも少し年を取ったくらいで「抜ける」ような作家さんではないと思う。6月30日に新刊が出るらしいので、それまでに未読の既刊を少しずつ読み進めていければ。

www.kadokawa.co.jp

2023年2月振り返り

大量の写真貼り付けるのがめんどくさすぎて放置してました。もう4月なんだが。

タイに行ってきました

社会情勢のせいで長らく海外に行くことができていませんでしたが、タイの某大学で短期研修プログラムに参加する機会があったので1週間ほどバンコクに行っておりました。旅行以外で海外行くのも初めてでしたね。

タイは大学2年の時に行って以来…なので10年ぶりくらい。

一応メインは研修なのでそこまで観光できたわけではないんですけど、軽くバンコクを回ろうということで、タリンチャン水上マーケットというところに行きました。


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だいぶ小規模だったし、水上マーケットというか川沿いのマーケットと言った方が正しい。一般にイメージする水上マーケットってこういうところだと思うんですけど、ここは単純に遠かったせいで行けませんでした。バンコクといいつつめっちゃ遠いので水上マーケットでインスタ映えを狙っている人は気を付けてください。

その後はチャオプラヤ川沿いの寺院巡り。巡りといいつつワット・アルンしか行っていない。


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この仏塔、10年前に来たときはもっと高いところまで登れたはずなんですけど、立ち入り禁止になってました。

ここの階段が異様に急なのでたぶん転落事故が起きたんだと思います。

有名なワット・プラケオも行こうかと思ってたんですけど15時30分にクローズって言われてしまい入れませんでした。早くない???

バックパッカーの聖地として有名なカオサンロードにも行きました。

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とはいえもはや安宿街という雰囲気ではなく、(名目上は医療目的の)大麻が解禁されたとのことで大麻ショップ、大麻バーだらけでした。Plantopiaっていう名前が面白すぎる。

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あとサソリの丸焼きみたいなのを食べました。f:id:toweliexx:20230331235459j:image

おいしくないです。

その他、いわゆる夜遊び街にも繰り出しましたが良い雰囲気の写真が撮れたということ以外の描写は割愛します。

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研修が終わった後、2日ほど猶予があったのでバンコクから少し離れたところにあるチャチュンサオという街に行きました。f:id:toweliexx:20230401000844j:image

このピンクガネーシャが見たかっただけです。なんか最近パワースポットとかなんとかで日本人に人気らしいです。僕はパワーとかご利益とかよくわかんなくてただデカい建造物が好きなだけです。

一応寺院らしいのですが、何というかその、著作権とか商標に対してあまりに不敬なオブジェが乱立していて静謐さとか神聖さはあまり感じませんでした。
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僧侶の皆さんは真剣なのかもしれないけど、奥になんか見えてるんだよなあ…。

明らかに国家試験終わりの医学生の集団(お疲れさまでした)が「いい医者になれますように」って願掛けしてたけど場所を間違えてる気がしなくもない。

その後はパタヤに行きました。チャチュンサオ→パタヤは乗り合いバスで行ったんですけど運転手に僕の目的地が伝わっていなかったせいで変なところで下ろされ、よく分からん場所でクソ暑い中タクシー拾える場所まで3kmくらい歩かされました。熱中症になるわ。

有名な歓楽街で"世界一下品な街"みたいな呼ばれ方をすることもあるらしい。


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…うん。


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こんなんがメインストリートのお土産屋で普通に並んでる街はさすがに初めてでした。

 


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そしてこれが"あの"ウォーキングストリート。

何軒か回ってみたんですけど、この世のものとは思えないカオス空間でした。あと街のどこにも見当たらないのにこういう店の中だけ有意に日本人の姿が目立つのめちゃくちゃ笑ってしまう。

 

一晩明けて、"サンクチュアリ・オブ・トゥルース"という場所に行ってみました。

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ここは由緒ある寺院とかではなくて、なんかタイのお金持ちの人が多分仏教やヒンドゥー教の教えにインスパイアされた世界の真実を表現するために絶賛建設中の建造物で、釘などを一切使わず木材のみで建てられているそうです。

正直名前からして胡散臭いな…とは思っていたのですが、実際行ってみるとかなり大きな建物で圧倒されました。内部のオブジェも精巧かつ迫力のあるものばかりでかなり見ごたえがありました。

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胡散臭いとか言ってごめんよ…。

観光はこんな感じ。

最後に海外に行ってから3年くらい経っていたし加齢もあるし、自分の中で旅を楽しいと思える気持ちが薄れてたりするんじゃないかと不安な気持ちもあったのですが、やはり自分の知らない土地に降り立ってみると不思議と胸が高鳴るもので、まだ大丈夫そうです。安心してこれからも旅ができます。

 

映画

bluegiant-movie.jp

最近『EXPLORER』まで一気に読んだのでタイムリー。

原作漫画がびっくりするくらい面白いので内容の不安はなかったんですけど、一部で言われていたキャスト陣が俳優さんっていう点に対する心配も杞憂でしたね。むしろ地雷は別のところにあった

ストーリーは原作の冒頭、仙台での描写がまるまるカットされていたのもあって相対的に大以外の2人、雪祈と玉田にフォーカスが当たっていた印象でした。続編でもそうなんですけど、大がメンタルも実力も化物だから割と感情移入しにくいキャラクターだと思うんですよね。神話のヒーローみたいな。

雪祈も玉田も勿論傍から見たら十分えげつないんだけど、まだ地に足が着いた感じがするから共感しやすいのかな。雪祈が自分のジャズを聴いてくれる人の生活の一端をしって自分を見つめ直すシーンとか、原作でもめちゃくちゃ好きな場面なんですよね。

演奏シーンのCGがあまりにもアレすぎて「誰このおっさん…?」ってなったこと以外は概ね満足。"音が聞こえる漫画"として有名な本作ですが、自分の音楽的素養が壊滅的なせいで原作読んでてもぶっちゃけあまりイメージわかなかったんですよね。実際の音楽を聴くことができたのは僥倖。演奏するプレーヤーの人めちゃくちゃプレッシャーだっただろうな…。


www.youtube.com

2023年1月振り返り

去年はズルズルに時期を遅らせながら毎月の振り返り…というか観た映画や読んだ本の話を書くようにしていて、今年も続けようと思っているのですが、2023年の1月はポケモンしかやっていないので1回も映画館に行っていないし1冊も本を読んでいないという異常事態になりました。これでいいのか30歳。しょうがないので別記事でポケモンの話をしようと思います。

 

1月にやったことと言えば、『乙嫁語り』の展示会のためだけに秋田県横手市増田まんが美術館まで行ったことくらいでしょうか。秋田に行くのは人生で2回目だったのですが、積雪がすごすぎる。

高校のころ住んでた町もたまに雪積もったりしてましたが、そういうレベルではない。雪国ってすごいな…。


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ページを開くだけで旅情がかきたてられる中央アジアの情景と、その中で生活するヒロインたちがひたすらに愛らしい作品。展示を観に行く前に一通り読み直していたんですけど、本当にみんな可愛すぎて誰が好きとか選べない状態になった。

民族衣装や動物の書き込みが異常かつ本作の大きな魅力なので、それを大きなサイズの原画で見ることができてありがたかった。カラーの原画は、衣装の質感をどのように表現しようとしたかについて森先生からのコメントがついていて興味深かったです。専門的すぎてよくわからなかったけど。

作品の世界観に浸ることのできる素晴らしい展示会で満足度は非常に高かったです。去年埼玉でやっていたのを知らないまま期間が終わっていたことが悔やまれます。

まぁ、大乙嫁語り展以外の常設展示も見ごたえあったし、普段行かないところに行くというのはそれだけで楽しいものですが。

というか愛蔵版の単行本も毎月ちゃんと買ってたのに、帯で宣伝とかないの厳しくないですか???

時間はあまりなかったのですが申し訳程度に観光もしました。

角館の武家屋敷通りって有名だし人多いのかと予想していましたが、誰もいませんでした。どうやら大雪の時期に行くところではなかったようです。"武家屋敷"を英語にすると"Samurai Residence"となることを始めて知りました。いやそうはならんやろ。

南国育ちなので、雪に覆われた街をカメラ片手に散歩するだけで楽しかったです。

 

2月は2月でいろいろとあるんですけど、ポケモンに生活を破壊されないように頑張っていきたい。

30才

誕生日プレゼントはゴツメカイリューが欲しいです、と思いながらわんぱく6Vミニリュウの厳選をしていたら30歳を迎えてしまいました。

 

正直20代の途中辺りから自分の歳が曖昧になってきたし、何なら精神年齢で言えば20代前半で止まっているような気がするのであまり実感も感慨もわかないのですが。

この数年間は、自分のやりたいこと、に割と素直に従えた時期だったように思えます。それは独身なので金銭的にもそれなりの余裕があり、独身なので休日は自分の好きなように使えて、仕事にも慣れてきて日常業務から受けるストレスが減ってきたことと無関係ではないでしょう。ついでに若者特有の変な拗らせや勢い、虚栄心から黒歴史を量産することも減ってきた…気がします。

 

その一方で、「親」とか「家族」について考えることも増えてきました。独身なのに。

それは勿論人の親になるとは到底思えないような旧友がどんどん親になっていく報告を受け続けていることもあるし、父親が30歳だったにはとっくに僕が産まれていて、たぶん4-5歳だし、弟も産まれていて2児の父だったことをどうしても意識してしまうんですよね。当時の親の生活状況なんかをリアルに想像できてしまう(し、親も話してくれるようになった)ので本当に自分には真似できないなと思ってしまう。正直ゲーム禁止だとか(これは反動を産むのでお勧めしない)結構制約が厳しかったし、子供の頃はあんまり親にいい印象を持ってなかった時期もあったけど、その頃の父親が今の自分と同世代だと思うと本当に大変な生活の中で自分によくしてくれたと思えるし感謝している。こういうことを考えながら生活していると、轟くんが以前はただ憎んでいたエンデヴァーに対する目線が変わっていくところや、ミオリネさんが仕事を通じて父親の違う一面に気付くシーンがすごく感慨深くなる。こういう例挙げるとキリがないのですが、マジでおっさんみたいなのでやめておきます。

 

先日(到底人の親になるとは思えなかった)高校の同級生のお宅訪問をした時も、やはり生活リソースの殆どを子育てに費やしているのを目の当たりにしてやはり真似できないなとなりました。僕がしてあげられるのはふるさと納税の枠を使っておむつを贈ってあげることくらいだ。がんばれ。

その立場になってしまえばそれが日常になってしまうのかもしれませんが、思い立った時に好きな本を読んで、漫画を読んで、アニメを観て、映画を観て、ゲームをして、旅に出て、キャンプをして、声優のイベントに行って…という生活に浸っていて、どこまでも自分本位の生活しかしていないし、今更他人と生活リズムを合わせて暮らすことすら想像ができないので僕にはまだ早いな、という気持ちになる。こういうところが自分はまだ子供なんだな、と思う所以です。30代を過ぎてくると若いころは鬱陶しがっていたこのくびきが欲しくなると言っている人もいましたが、どうなることやら。(アラサーの皆さんは『傲慢と善良』を読みましょう)

 

とはいえ、他人は他人、自分は自分、という考え方ができるようになってこそのアラサー。別に羨ましくないです。

少なくとも今の自分は、自分のやりたいことに向かって生きていきたい。

ということで、30歳の1年間は、前々から頭の中では計画を立てていた世界一周旅行に向かって本格的に動き始める年にしようと思っています。もう職場や家族(とこのブログを読んでそうな人のうち数人)には退職の予定まで含めて伝えているので、よっぽどのことがなければ実行されると思います。

出発するのは今年の12月あたりを予定しているので、旅の殆どは31歳で迎えることになるとは思いますが。

ほんとはご飯が美味くて治安が良くて衛生状況も良くてニチアサが観れるし声優イベントがある日本でずっと定期的に収入を得ながら過ごしていて、1年に1回くらい旅に出る…みたいな生活が一番いいんですけど、行きたい国・場所が現在進行形で増えていくから仕方ないですね(ちょうど1年くらい前にマイマップというものを教えてもらってからちょくちょくマッピングしています)。

おそらく一生にそう何度とない旅になると思うので、自分のための記録と家族友人への生存報告、および不特定多数への情報共有を目的として何かしらの形でインターネットの海に垂れ流すと思います。たぶん別のブログができる。

そもそもこのブログを定期的に書く、という行為自体がいずれ旅に出た時のために定期的に文章を書くことに慣れる準備段階、のつもりだったんですが、結局どんどん筆不精になってしまったし、映画とアニメの感想しか書かないので意味があったのかは不明瞭です。

 

とにもかくにも、30歳の自分とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い致します。

2022年12月振り返りと、年末総括

あけましておめでとうございます。

 

2022年12月振り返り

映画

①『かがみの孤城

movies.shochiku.co.jp

2022年は辻村深月さんの小説ばっかり読んでいたけれど、その前、最初に友人から勧めらて読んだ辻村作品が『かがみの孤城』。

ampleparkingdayornight.hatenablog.com

こんな感想も書いたけど、今思い返してみてもストーリーの巧みさはもちろんのこと、あまりにも繊細な登場人物の心情描写にのめり込むように読んでました。中学生や高校生の時分にこの小説に出会える今の子供たちは恵まれすぎている。

上下巻ある小説が2時間の映画になるので、特にこころちゃん以外のキャラの描写について簡略化されていたり、削られていたシーンも多かったですが、まぁそこは脳内で補完するとして。

もう原作からしてつまらなくなりようがないので、アニメ映画で良かったなと思うところを挙げていくと、こころちゃんを虐める女の子たち(本当に許せない)が自宅に押し掛けるシーンがトラウマレベルに仕上がっていたところ。原作でもこころちゃんにとって唯一の安寧の場所が脅かされる恐怖が鮮明に伝わってくる印象的なシーンだったので、しっかり映画でもトレースされていて好感度高かったです。

その他、あの良い事言っているようで実際は上っ面しかなぞれていない担任の先生に藤森慎吾がキャスティングされているのは絶妙でした。

 

②『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIE バトルロワイヤル』

kamenrider-winter.com

仮面ライダーギーツ、流行りのデスゲームものの要素を取り入れつつ、クールごとに話がぐちゃぐちゃになるならいっそ周回ゲームにして世界リセットしたれ!という開き直りが割と好印象なのですが、いまいち盛り上がってない感。同期の戦隊が話題性的に強すぎるからでしょうか。

映画自体は正直可もなく不可もない枠で特に言うこともないんですけど、王蛇の体型は流石にギャップがすごかった。萩野さんが痩せ気味なだけに特に。

小説

ポケモンばっかりやってて全然読んでませんでした。

かがみの孤城』の原作を読むつもりだったのですが…。

 

アニメ

2022年秋クールのアニメが終わってしまいました。

人並みですが『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『ぼっち・ざ・ろっく!』が面白かったです。『水星』は何なら情報解禁されたときから期待していたまでありますが、『ぼっち』は本当に自分がハマるとは思っていなかった。生まれて初めてきららアニメの原作漫画を読んで気付いたのですが、4コマならではのテンポの良さに、各キャラクターの内面を補完するアニメオリジナルのシーンが上手く組み込まれている作品なんだと思いました。そして何より曲が良い。

その他だと『BLEACH 千年血戦篇』。よくも悪くも平成のジャンプアニメ!っていう絵柄だった旧作と比較して、映像技術が師匠のスタイリッシュさに追いついたんだな…と感動してしまいました。分割なのでしばらく放送がないの悲しすぎるんですけど、オサレ信者の僕でも擁護しようがない展開やテンポの悪さをどう処理するのか楽しみにしています。

 

 

ゲーム

ポケットモンスター スカーレット

くっそ久しぶりにポケモンのメインシリーズをやっている。

大学生の頃にBW2をやっていて、講義室に置き忘れた3DSが30分で消えてからやめちゃったのが最後だから本当に10年ぶりくらい?アルセウスはちょっとやってたけど。

生まれて初めてポケモン図鑑も完成させました。

ゲームキャラの名前、いつも悩むんですけど適当に本棚を眺めて思いついた漫画のキャラクターにしています。

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それと友人のポケモン異常者に当てられて、対戦も割と力入れてやってみようと思い立ちました。最近ポケモン対戦のYoutubeしか見てねえ。

見よう見まねでパーティを組み、見よう見まねで対戦してみました。手探りでしたが1番長く使ってたのはこのPTでしょうか。

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途中までは思っていたより勝てるな~という感じだったのですが、正月に17負け越しして貯金が溶けて泣きました。

シーズン1はわりと適当にプレイしてしまったという反省があるので、シーズン2はもう少し考えながらやっていきたい。

 

2022年の目標達成状況

 

ampleparkingdayornight.hatenablog.com

2021年の年末にこういう目標を立てた。

・内科専門医の取得。マスト。

・読書月3冊。というかまず読んだ本をメモしておく。

・映画月4作。少し減らしました。

内科専門医はまぁ試験合格したので達成ということで。

読書月3冊だと年36冊、ということになりますが2022年は計21作だったので達成ならず。11月以降1冊も読んでないのも良くない。漫画も数にカウントすべきだったか

映画も年48作が目標になるのですが、36作。こちらも下半期には殆ど観に行けていなかったのでブレーキがかかってしまいました。

今がまさにそうなんですけど、ゲームなんかにハマるとすぐ他の娯楽を止めてしまうので、意識して映画館に行ったり、小説に手を出していったりしないといけないですね。

2023年の目標

読書と映画については2022年と同じくらいを目標にいきます。

加えてもうすぐ30歳になるということで、割と人生において大きな決断をしたので、2023年はそれに向かって動いていく年になるかなと。近いうちにご報告します。

2022年11月振り返り

映画

①すずめの戸締まり

suzume-tojimari-movie.jp

ようやく宮崎県が舞台と胸を張って言える(?)有名作品が出てきましたね。僕が育った町も一瞬ニュース画面に映ったと家族のLINEグループが沸いてました。でも宮崎にあんな綺麗な廃墟は存在しないと思う。

「本作には、地震描写および、緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがございます。警報音は実際のものとは異なりますが、ご鑑賞にあたりましては、予めご了承いただきます様、お願い申し上げます。」というアナウンスが公開前からなされていたのでまぁそういう描写があるんだろうな…くらいに捉えていたのですが、”流れるシーンがございます"どころか地震そのものがテーマになっているのは予想外でした。そう考えると宮崎県という舞台設定にも納得いくものがあったり。

現実に起こった震災をベースにしているのは明確なのに自然災害を人間の努力で止める、という描写はどうなんだ…?と思ったりもしましたが、「戸締まり」という行為に込められた意図を感じるにつれてその違和感も薄れていきました(なくなったわけではないが)。そこで生活していた人々に思いを馳せ、悼むことで現在を生きている我々は気持ちの整理ができ、先に進むことができる。「行ってきます」と言うために。ここに「戸締まり」という言葉を持ってこれるセンスが流石ですよね。終盤の草太さんの祈りのようなセリフも、幼い自分にかける鈴芽のセリフもかなり印象に残りました。

 

 

②ザリガニの鳴くところ

www.zarigani-movie.jp

そもそもザリガニって鳴くんですか???原題の直訳らしいですが。

緊迫感のある冤罪ものの法廷ドラマかと思っていたら、ラストシーンでその印象もひっくり返される。主人公のカイア怖…。と思ったものですが、「自然が私の教師だった」という言葉通り、沼地の、というか自然界の生存競争に基づく倫理感がカイアの行動原理になっていたことに気付かされる。そしてその一端は冒頭のモノローグでしっかり明かされているのでかなり筋の通った作品だったな、という印象でした。頑なに沼地から出ようとしない閉鎖性も現代のポリコレじみた価値観からすると見ていて違和感しかなかったんですけど、よくよく考えてみると元々の価値尺度から違うんですよね。

その一方でカイアが自然と調和した人間でいるようで、他者からの愛情に飢えているという人間臭い部分もあるのがなんというか、人間のままならなさを感じる部分ではありました。

 

小説

なんか読んでる気がしたけど、11月は1冊も読んでませんでした。

来月は映画の公開までに『かがみの孤城』を読み返しておきたい。

その他

ポケットモンスター スカーレット

30手前になって初めて毎週ポケモンのアニメを観るようになって、今までの人生で一番ポケモンにハマっているので、当然購入しました。

ストーリーはほぼほぼカラミンゴ無双でクリアまで行きましたが、物理偏重PTだったのでスター団のビワ姉で詰んで3回くらい全滅させられました。

あの子チャンピオンより強くない…?

知り合いや弟に影響されてランクマッチ方もちゃんとやってみようと思ったので、また何か書くかもしれません。