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話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選

aninado.com

■「話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選」ルール
・2021年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定す。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
・集計対象は2021年中に公開されたものとします。

20代も終わろうとしているのに、クリスマスイブとクリスマスを使ってせっせとこんな記事を書いているうちは結婚など望むべくもないでしょう。まぁせっかくそこそこの時間をかけてアニメを観ているのに、記憶を風化させて「楽しめた」で終わるだけよりはマシですが。

2021年は現在放送途中のものも含めて合計52作観ていたらしい。その中から特に印象的だったエピソードを振り返らせていただきました。

去年は急に書くことになったのでかなり難産でしたが、今年はある程度話数単位を意識してアニメを観ていたので候補はある程度揃っていました。選出した話は(今クールのやつを覗いて)全部観直しましたがやはり今の感覚ともあまりズレていないかな、という印象。

ということで今回選んだのがこの10本です。順番は適当です。

『Dr. STONE STONE WARS』 第3話 「死者からの電話」

石化現象の影響で原始レベルの文明に後退した未来世界で科学知識を使って…という設定と主演声優がなろうアニメみたいだな…と思っていたのですが、矜持や信念を持った魅力的な登場人物の引力が強すぎてすっかりハマってしまった作品。

1年半ぶりの再会でも全く揺らがない千空と大樹の信頼関係もそうだし、人気歌手の声真似で騙そうとした相手がそのガチオタクだった、っていうネタみたいな展開からここまで熱い展開ができるのもキャラクターそれぞれが持つ矜持故だと思うんですよね。

いつもゲス顔で悪だくみしてるのに、科学の質問には嘘をつけない千空がカッコよすぎました。

3期の情報も先日発表されましたし、ちょっと楽しみすぎますね…。

『ヒーリングっど♥プリキュア』 第42話 「のどかの選択!守らなきゃいけないもの」

anime.dmkt-sp.jp

もはやニチアサの柱と言っても過言ではない曇らせのプロ脚本家、香村純子先生がプリキュアのシリーズ構成を務めると知り、アラサーにして初めてプリキュアを全話通しで観ました。

昨年も1エピソード本作から選んでいる通り、キャラクターとしては平光ひなたちゃんが好きなのですが、本作のエッセンスが詰まっているのはどう考えてもこのエピソードでしょう。

プリキュアだから」ダルイゼンも助けるのだろうと自分含め視聴者はみんな思っていた*1んでしょうけど、実際にはそのお約束的認識そのものに問題提起する話だった、という。

自分を守るために「〇〇だから××しないといけない」という無言の要請には背を向けていいんだ、というメッセージはかなり現代的だな、と思いましたし、救われる視聴者も少なからずいたと思うんですよね。ヒープリを観た女児は将来DVだかモラハラだかしてくる彼氏が都合のいい時だけ助けを求めてきたら「わたしを利用しないで!」と強く言い返せることでしょう。

まずそんな人と付き合わないでほしいですが。

現在は『機界戦隊ゼンカイジャー』で才能を活かしに活かしてる香村先生ですが、次あたり仮面ライダーで一本書いてほしいな…。

ポケットモンスター』 第62話 「じめじめジメレオン」

20代も終わろうという年齢になって初めてポケモンのアニメを観始めて、完全に毎週金曜日の楽しみになってしまっている。

そろそろ100話が迫ろうとしていますが、やっぱりゴウくんの人間として、トレーナーとしての成長が本作の大きな魅力だと思う。

メッソンがジメレオンに進化して性格が変わり、今までとは少し関係性というか、距離感が変わってしまう、というエピソード。

以前ヒバニーがラビフットに進化したときの変化に戸惑ってしまい、ラビフットを手放そうとしてしまった経験があるからこそ、今エピソードではジメレオンの変化を受け入れて、上手な距離感を模索できるようになったんだろうなあ、というのを感じさせるのが本エピソードが印象的だったポイント。

ゴウは無理やり外に出そうとしたことをジメレオンに謝ってたけど、引っ張り出したのはエースバーンなんだよなぁ…陰キャに対してやたら距離が近い陽キャの絵面で笑ってしまった。

最後にジメレオンの巣穴から、トラップの水風船が消えていたところも、ゴウとジメレオンなりの信頼関係が表れていていいなあ、と思いました。人間の言葉を話さないポケモンという作品だからこその、演出での心情描写が心憎い。

『SK∞ エスケーエイト』 #7 PART 「つりあわねーんだよ」

自分がスケートを教えてから数ヶ月で遥か先を行くランガにコンプレックスを感じるレキと、愛抱夢とのビーフをきっかけにスケートの危険な魅力に取り込まれつつあるランガがすれ違ってしまう。

スケートもランガのことも大切なのに、劣等感のせいでどんどん楽しめなくなって、陰性感情が生まれてしまうのがあまりにもお辛い。ランガと同じ技をやろうとするも全く上手くいかない場面や、ラストの畠中 祐さんの演技がかなり印象的でした。

続編でもなんとか天才たちに食らいついてくれ…。

ゾンビランドサガ リベンジ』 第5話 「リトルパラッポ SAGA」

1期はリアルタイムで観てなかったのもあって「ノリと勢い先行のアニメなんかな…」という印象だったのですが、続編では「フランシュシュのメンバーがゾンビなのに、いやゾンビだからこそ誰よりも懸命に日々を生きている」という逆説的なメッセージがプッシュされていてめちゃくちゃハマってしまった。

マイマイの回も良かったし、最終回とか普通に泣いてしまったんだけど、1エピソード選ぶならここかなと。

急にコナンの声したクソガキが出てきてなんやねんこいつ…と面食らいましたが、表現者としての成長に対して貪欲なライトと、ずっとトゥインクルでいたいリリィが対比されていく。

ひとときの「可愛い」に甘んじる子役をライトは否定するけれど、ヒゲが生えたことでショック死したリリィにとってみれば、これ以上成長することがないゾンビの状態がひとつの理想形だということに気付かされる。1期で「さすがにこの死に方は舐めてるだろ」って割とマイナス寄りの評価だったんですけど、それがここで効いてきたっていうのもインパクト強かったです。

 

体は成長しないゾンビでも、フランシュシュは歩みを止めない。この回で要所に現れるリリィのプロ意識もめちゃめちゃかっこいいし、なんといってもスキャットが可愛い。

『灼熱カバディ』 第7話 「STRUGGLE」

練習と練習試合しかやっていないのに異常に面白かったアニメ。

この作品の中で小気味よく連呼される「STRUGGLE」は「もがく」という意味らしい。宵越はカバディ初心者ながらも自分が学んだことを120%活かして高谷と戦い、井浦はフィジカルで勝る六弦に対して先読みとチーム総出の作戦で挑む。そして六弦は5人に掴まれても決して諦めない姿勢で時間を使い切り、チームに勝利をもたらす。

どんな逆境でも自分の持てる全てを活かして全力でもがく。この三者三様の「STRUGGLE」があまりにカッコ良すぎる回でした。試合後の宵越と畦道の会話も良かったし、宵越のメンタリティはビジネス新書出したほうが良いくらい学ぶことが多い。

『かげきしょうじょ!!』 第八幕 「薫の夏」

アニメを観て、即単行本を買ってしまうほどハマってしまった作品。

その中で印象的だったのは単行本のみに収録されている各キャラのスピンオフが元になっているお話。「かげきしょうじょはスピンオフが熱いのでぜひ読んでください!」ってマッチングアプリのチャットで教えてくれたお姉さまの本質眼には頭が上がりません。

確固とした自分を持った強くてかっこよい女性キャラが最高に好きなので当然のごとく本作では星野さん推しなのですが、本エピソードではそんな星野さんのちょっと脆い部分と、それでもやっぱり信念を持った強い女性だな、という部分を垣間見ることができる。自分と同じ境遇の野球少年に出会い、同じように家族と比較される悩みを抱えている同士として傷を慰めあうような関係になることもできたと思うんですけど、星野さんはそれを良しとせずキッパリと決別できる人物なんですよね。かっこよすぎる。この話で流れるEDの『薔薇と私』の歌詞も星野さんの芯の強さが表現されててめちゃくちゃ好きです。

スーパーカブ』 第1話 「ないないの女の子」

見始めた時「このアニメ、流石に画面の彩度低すぎない??」と思っていたのですが、カブとの出会いをきっかけに急に周りの景色も色づいていく。まだ高校生なのに枯れ果てた生活を送っていた小熊の世界が変わっていく演出としてベタだけど印象的でしたね。いやデフォルトが暗すぎるんだが。

人生が変わる、世界がキレイに見えるきっかけってなにも劇的な出会いや奇蹟や異世界転生だけじゃない、というのが最近の自分の考え方にフィットする部分もあってかなり作品に引き込まれたエピソードでした。

台詞も少なめで、キャラの表情や息遣いに情報を乗せる部分が多かったのも良ポイント。

趣味系アニメとして素晴らしい導入でしたが、話が進むにつれ小熊のカブ依存が宗教かな?と思うほどヤバくなっていってちょっと引きました。ちゃんと救急車呼ぼうね。

『サクガン』 ep01 「FATHERS & DAUGHTERS」

目の前で友人が死んでも消えることがない、狂気とも言える冒険への好奇心と、それを「おかしい」と冷静に評価する理性のせめぎ合い。

私見ですけど、そもそも冒険ってわざわざ危険を冒す、という行為なのでどこかイカれてないとできないと思うんですよね。そういう意味での「冒険者の資質」がこの1話に詰まってた。

イカれてるけど本当にかしこいメメンプーというキャラクターがこの1話だけで本当に魅力的に映ったので、オリジナルアニメの1話として文句のつけようがないでしょう。

今年観たアニメの第1話では『スーパーカブ』と本作が特に掴み強かったなあと思います。…だから選出しているのですが。

先日放送された最終話は何かすごく投げっぱなしになっていましたが、続きとかあるのかな…

『東京リベンジャーズ』 #16 「Once upon a time」

結構前から連載やってたと思うんだけど、今年彗星のように現れ女オタクの覇権コンテンツになっていった作品。不良漫画って現代で流行るんだな…。

この回だけは面白かったというより、あまりに衝撃的すぎたという意味で選出しました。

東京卍會の創設メンバーである羽宮一虎が、マイキーと敵対するようになってしまったきっかけが明かされる回なのですが、「マイキーにプレゼントするためのバイクを盗もうとしたら店員に見つかったのでその店員を殴り殺したら実はそれがよりにもよってマイキーの兄だった」というとんでもない展開。一虎はその事実を受け止められずマイキーを逆恨みするようになる…という流れなのですが、初めから終わりまで犯罪行為しか行われていなくてドン引きしたし、これで同情しろって言うの無理じゃない???

ED流れる中、3回くらい「えっ?えっ?」って言ってしまったし衝撃だけなら本作ナンバーワンだった。こいつらこれで中学生だし、平成の不良怖すぎだろ…。

選出しようか迷った作品・話数

・『僕のヒーローアカデミア

「先手必勝!」「ぼくらの大乱戦」「再臨祭」「サッドマンズパレード」「志村転弧:オリジン」「死柄木弔:オリジン」「空、高く群青」…

要するに全話面白いので選べませんでした。おそらく6期が放送されても1エピソードは選べないでしょう。

・『ブルーピリオド』

「さまようナイフ」「俺たちの青い色」

原作が面白いのは承知だったのですが、龍二を演じる花守ゆみりさんの演技が素晴らしすぎる。

・『takt op.Destiny』

「運命-Cosette-」

「コゼット」とは違う1つの人格として成長を遂げてきた「運命」とタクト、アンナの関係が一区切りついた回。

あと上田麗奈さんのイカれ演技は重要無形文化財に指定した方がいいと思います。

・『SSSS.DYNAZENON』

「託されたものって、なに?」

正直このアニメに対して言いたいことは結構あったのですが、「まだ""南さん""なんだ」だけですべてを不問にしたくなるくらいの破壊力。

・『トロピカル〜ジュ!プリキュア

「Viva!10本立てDEトロピカれ!」

朝から何を見せられてたんだ…。くるるんの変身バンクだけで永久保存版でしょう。

・『オッドタクシー』

すべての話で1つの流れ、というような作品なのでエピソードを選べませんでした。強いて言うなら「田中革命」。

 

以上。実は11本ありました、なんてオチではないです。

2022年は『Dr. STONE』『ヒロアカ』の続編も発表されていますし、何といっても『タイバニ』が帰ってくるのが嬉しい。『SPY×FAMILY』『スプリガン』『風都探偵』あたりも2022年発表予定だし、楽しみすぎる。来年も魂を揺さぶるような作品に出会うことができたら僥倖です。

*1:ダルイゼン周りの展開があまりにもエグゼイドだったので同じような展開を予想していたニチアサのオタクも多かったと思います